「東日本大震災と科学コミュニケーション」科学コミュニケーション研究会・第7回関東支部勉強会

 東日本大地震が発生した直後の先月中旬。Twitterで見た一つの言葉を私は今も覚えています。

 「いま情報を出せずして、何のための科学コミュニケーションか。」

 地震津波原発事故。非常事態への対応に必要な専門家(科学者)の知見を集めようとするも、なかなか集められずに苛立ちを覚えた、科学コミュニケーターの方のツイートでした。


 東日本大震災と科学コミュニケーション』

 今日(2011年4月28日)、これをテーマとして行われた科学コミュニケーション研究会・第7回関東支部勉強会に参加しました。
 非常時に事態に対応するためには、専門家の知見が大いに必要となり役に立ちます。「何が分かっていてどうすればいいか」だけでなく、「何が分からない(からどうすべきな)のか」という情報が必要になることもあります。

 しかし、その必要な情報に非常時に素早くアクセスできるよう、科学コミュニケーションは準備できていたのか。科学コミュニケーションは、“科学の楽しさを伝える”という狭義の科学コミュニケーション「啓蒙」に偏ってしまっていたのではないか。平時から、もっとリスクに接近することはできなかったのか。
 本当に必要とされるときに、必要な存在であり得たか。必要とされる役割を担い得たか。

 “科学コミュニケーション”がそう自問していることを、私たちはよく理解しなくてはならないと思います。