課題研究「情報提供者の懸念に応えるリスク・コミュニケーションの開発とそのプロセス」

 本日、難波美帆先生、石村源生先生と共に、標記の課題研究セッションで発表させていただきました。

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学会: 日本科学教育学会 第36回年会
日時: 2012年8月29日(水)9:30~11:30
場所: 東京理科大学神楽坂キャンパス
課題研究「情報提供者の懸念に応えるリスク・コミュニケーションの開発とそのプロセス」
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 このセッションでは、暗黙知となっている「情報提供に際する懸念」を形式知化するプロセスについて、次の3演題に分けて発表しました。

形式知化を図るワークショップの設計とリスクコミュニケーションの課題提示(難波)
・ワークショップの学習評価方法の開発(石村)
・ワークショップへの事例提供とリスク研究の課題提示(梅澤)

 当日の学会セッションには、この課題に強く関心を持つ方々が集まってくださいました。会場では貴重なご意見をいただけた他、内容の濃い質疑応答・議論をすることができました。

 難波先生も石村先生もおっしゃっていましたが、先日の夏期集中ワークショップにご参加いただいた皆様、講義に来ていただいた皆様、ご協力いただいたファシリテーターの皆様のお力のおかげです。

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 私は、「科学的に価値があるが、大目標を完遂していないという意味で途上の研究のデータ・情報を、どのようにして伝えたらいいか」という点に問題意識を持っています。
 ウェブが普及し情報の拡散速度が上がった現在、「伝えにくい」情報を「伝えない」ことは賢明ではなく、これを「伝え方に注意を払って伝える」ことが大切ではないかと考えています。

 一方、この研究に取り組む中で、「研究途上の段階の知見を『コミュニケーターが伝えなくてはならない場面』がそもそもあるのか」という問いかけをされることもありました。
 リスク情報の伝え方だけでなく、「誰が情報の伝え手となり得るのか」を明示するだけでも、私がこの研究を進める意義があると改めて感じています。

 明日以降も研究を進めます。