【記事紹介】2011年3月福島原発事故の米国での報道から

 私は、2011年3月21日から26日まで学会のため米国に滞在していました。その間、3月11日に東北・関東沖で大地震が発生して以来の被災の状況について、米国でどのように報道されているのかを興味深く見ていました。今回の日本での震災・津波被害や原発事故については、米国でも毎日報道されています。
 その中で、3月25日(金)のUSA TODAY紙1~2面にCover storyとして組まれていた特集が、2週間の間に起こった日本の福島原発事故について分かりやすく紹介していたので紹介します。

At nuke plant, heroes emerge

 ~Japan workers risk lives to try to control radiation ~
 By Oren Dorell

How the crisis at the Fukushima plant unfolded

 日本では非常事態にある意味では情報が溢れている一方で、この記事は原発事故に関する要点をうまくまとめていて、私にとってとても勉強になりました。また、記事中で紹介されている有識者らのコメントも興味深いものばかりです。
 この記事は、一連の事実をまとめたものとしてはそれほど長くありません。関心はあるがいま一つ状況を理解し切れていない方や、このニュースを英語で読みたい方に、上のリンク先から是非読んでいただきたいです。

 なお、1面には "Dangers known but unseen" 題して防護服を着た従業員が福島第一原発(第1棟、第2棟)で制御室の計器を確認する姿が、さらに2面には、"A sense of duty" と題して福島第一原発で従業員が送電線を貼り直す姿の写真が掲載されていました。
 写真も併せて紙面をご覧になりたい方には、こことは別の形でお送りします。ご希望される方はメールもしくは下のコメント欄でご連絡ください。

 最後に、一連の事実をとくに簡潔に記している一段落を以下に紹介いたします。


 The earthquake knocked out electricity to the plant, which houses six nuclear reactors, and its cooling system. The tsunami that followed wiped out diesel generators that provided backup power. Without electricity to operate pumps that keep water flowing over the nuclear fuel, water in the reactor cores and spent fuel pools boiled away, exposing the fuel, which melted and caught fire. That caused hydrogen explosions and released radiation, which has shown up in drinking water, food and industrial goods exported to other countries.

 上の一つ目の記事、"At nuke plant, heroes emerge" by Oren Dorell (Page 1A, USA Today, Mar 25, 2011) より。