先週神戸で行われたBMB2010の3日目に、
夕方のフォーラムに参加しました。
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私たちの論文以外の活動はどう評価されている?
~既存の評価軸に乗りづらい研究者の活動をどう評価するか~
オーガナイザー:
白井 哲哉氏(京都大学人文科学研究所)
加納 圭氏(京都大学iCeMS)
総合討論および講演者:
坊農 秀雅氏(DBCLS)
有本 建男氏(社会技術研究開発センター、
文部科学省大臣官房審議官)
※ DBCLS: ライフサイエンス統合データベースセンター (Database Center for Life Science)
有本建男氏の、この言葉が印象に残りました。
「20世紀のサイエンスは知識の生産でよかった。
21世紀のサイエンスというのは違うはずだ」
「科学は“知識の生産”だけではないことは、
すでに世界のコンセンサス」
今回は、議題を提起し次につなげる意思を示した
内容に終わりましたが、今後どんどん
盛り上げていかなければならないと思います。
内容が簡単にまとめられたものはこちら。
→ Togetter「BMB2010 研究者は」
以下には、要旨を貼っておきます。
現在、個々の研究者にとって研究業績の評価項目として最も重要視されるのは論文である。しかし、既存の評価軸では評価されにくい活動が生命科学の研究現場にも増えている。例えば科学コミュニケーションの活動や、研究組織の運営、データベースの構築などが挙げられる。近年、社会へのアウトリーチ活動の重要性が声高に叫ばれ、研究者が科学コミュニケーション活動に携わる機会が増えている。また研究そのものも、網羅的解析や次世代シーケンサーの登場など 1つの研究室では担いきれない研究アプローチが増えている。これによって研究組織の設計や運営、システムの管理やデータベースの構築など従来の研究活動とは異なった仕事も増えている。
生命科学の研究を継続的に推進するためには、これらの活動に携わる研究者が適切に評価され、活動が持続することが必要である。このセッションでは、研究者が携わる活動の現状を整理し、それらの評価体制のあり方について議論を行う。