リーダーシップとは何か?‐2010年度前期を終えて

昨日から、10日間の夏季休暇を頂いています。
つまり、留学生と最後に過ごした9日(月)
夏休み前最後の研究室生活でした。

今年度、私は修士1年生2人、5年生2人、
4年生4人の計8人の後輩と特に深く関わって
仕事をさせてもらっています。
今までになく、身近に多くの人と関わって
多くの経験をさせてもらっています。

一緒に仕事をしている後輩は皆、
自発的に行動してくれる頼もしい人ばかりです。
その中で私は、彼らの自発性をどのようにして
サポートすれば良いかを考えてきました。
そして、その人たちの得られるものが
「各々1人分」ではなく「それ以上」とするには
どうすれば良いかを考える必要がありました。

この私のポスドク研究員としての4ヶ月間を、
「リーダーシップとは何か」というテーマと共に
振り返りたいと思います。


皆さんは、リーダーシップというのは
どのようなものだとお考えでしょうか?
実際に職場(や大学の研究室)で、
どのような行動にリーダーシップを感じるでしょうか?

このテーマについて最近、
以前にも紹介したWeekly Coachにおいて、
とても興味深いコラムがあったので紹介します。

『行動を少しだけ変える』
 (平野圭子氏コラム、2010年7月28日)


このコラムによると、

多くの人は「リーダーシップ」と「リーダー」とを
同義語として捉えてしまっているので、
管理職の人の多くは自分が
「リーダーとしてぐいぐいひっぱらなければならない」
「バンバン指示命令して、部下を動かさなければならない」
などと思っている。


しかし、

同時に、
「部下にはどのようにパフォーマンスを
 発揮してほしいですか?」
と聞くと、彼らの多くは
「私から何も言わなくても自発的に動いてほしい」
と願っている(と答える)。


この言葉は、リーダーシップが
周囲をぐいぐい引っ張ることではなく、
「周りの人が自発的に動けるように関わること」、
「周りがリーダーシップを発揮できるように関わること」
であることを示していると思います。

さて、ここまでお話したところで改めて、
皆さんはどのような行動がリーダーシップであると
考えるでしょうか。


それでは次に、周りの人の潜在能力を引き出し
自発性を促すためには、具体的に
どうしたらいいでしょうか?

「部下の自発性を促す関わり方をしているかどうか」

Weekly Coachと同じくコーチ・トゥウェンティワンが
提供しているコーチ・トレーニング・プログラムでは、
このチェックリストがあるそうです。
私はそのすべてを見たことはないのですが、
一見すると当たり前のことが並んでいます。

逆にいうと、「当たり前のことをできること」の
大きさをここでも感じさせられます。
よろしければ、先に紹介したコラムをご覧ください。


私も、このコラムを見ながら自分の行動を省みて、
夏休み明けの研究室生活に生かしたいと思います。
同時に、機会を見つけて
私自身の行動について自分が持っている認識と、
周囲が持っているそれとを比較し、
そのギャップを確認できたらいいと思います。


このコラムでは、最後に

「ポイントは、『毎日の行動をどのように変えるか』
 ということ」

であると述べ、

「今の行動を少しだけ変えることができるとしたら何ですか?」

という言葉でこれを締めています。


+ + +

私は、できるだけ多くの人に、
できるだけ多くの人と濃く関わる機会を作り、
それにより得られるメリットを最大限に
皆に得てもらいたいと思っています。

「仲間と仕事を一緒にして得た成功体験」

これをできるだけ多くの人に
手に入れてほしいと思っているからです。

そして、その経験がそれぞれの人に
それぞれに合った「リーダーシップ」を発揮する力と
なってくれることを期待しています。


もちろん、研究員としては研究をすることが第一です。
しかし、研究をすることは必要条件に過ぎず、
十分条件ではないと私は考えています。

十分条件は、必要条件+αにより満たされます。
この「+α」の部分も大切にできる準備を、
改めて、夏季休暇の間にしたいと思っています。