薬局はパブリックヘルスに貢献できるか

 私がアルバイトをしている調剤室にあった雑誌に、「薬局はなぜパブリックヘルスに貢献できるのか?」という特集記事があり、興味を持って読んでみました。薬局は病院と同様、医療提供施設と位置付けられていますが、実際に病院以上に重要な役割を果たせる可能性はどこにあるのか、ということがテーマでした。


参考文献:
 pharmavision Vol.11, No.12(通巻121号)
 2007年12月発行(ファーマビジョン社)
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 この記事によると、パブリックヘルス、すなわち大衆の健康に関する情報を発信できる場所としての薬局(特に、調剤専門ではなく、OTC=市販の医薬品や雑貨も売っているドラッグストア)の長所は、病院と比較して、

・ 営業時間が長いこと。
・ 待ち時間を課すことなく相談に乗れること。
・ 診察料を取らずに相談を受けられること。
・ 健康な人も利用すること。

などが挙げられるとのこと。イギリスの例では、一般的に薬剤師の方が医師や助産師よりも先に妊娠を希望する女性に会う機会が多いため、葉酸摂取を勧めるのに効果的(※)だということが報告されているそうです。排卵日検査薬の横に、さりげなく葉酸摂取を勧めるリーフレットを置く薬局もあるとか。面白いかも。

 当然、情報を発信するためには、薬剤師がそれだけの知識を身に付けておく必要があります。そしてその知識は、大学4年間とか、薬剤師国家試験対策などで身に付けられるレベルのものでは当然ありません。大変ですわ!
 まぁ、少しでも勉強して、少しでも人の健康維持の役に立てるようになりたいです。私の場合は、自分自身がすこぶる健康なだけに、なおさらそう思います。


※ 葉酸を含むビタミンB群は、体を作る上で(代謝、細胞の形成などに)重要な役割を果たしています。その中で葉酸は、特に妊娠期の赤ちゃんの神経の発達に必須なのです。葉酸は、レバー、新鮮や野菜・果物、大豆などに多く含まれています。とはいえ、必要な栄養素はビタミンBだけ、葉酸だけといったことではありませんから、とにかくバランスの良い食事、「何でも食べる」のが良いということだと思います。

 

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