普段話す言葉で訳しなはれ

 昨日、小学生の長男がなかなかお風呂に来ないときに「何やってるのー?」と訊いたら、「はーい」と低いテンションでの返事が来たので、また(ときどきあることなので)めっちゃ注意してしまいましたよ。「何を」(What are you ~~?? / What do you ~~??) ってのは、「はい」か「いいえ」かを訊いてる質問じゃないんだっつーの、って。
 「何やってるの?」と訊かれて、ヘンテコダンスしてた~とかインターネットで***調べてた~とかいう回答だったらまだいいですよ。そうでなく「はーい」って何やねんって。

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 そんなことをお風呂で小学生と話していて、私が初めて日本語のない地域での仕事に行く直前の先輩とのこんな会話を思い出して話していました。
 1コ上の先輩が私に言ったんですよね。「英語で質問されて答えられるの?(笑)」って。「『Why ~~??』って訊かれたらどう応えるの?」って。そのとき私は、半分は茶化してこう答えたのを覚えているのです。「ビコーズ (Because) って言ってから何言ぃやいーか考える」(←ビコーーーズってめっちゃ強調)って。

 そのとき、先輩は大笑いしていましたが。でも、それって正しかったと今思い出しても思うのです。疑問文の文型は相手がどんな答えを望んでいるのかが分かるから、それに対応した答えをまず端的に返すことが第一だと。逆に、何かを訊いたときにそれを返さずに延々と背景説明を(本人は良かれと思っているのかもしれないけれど)する人が大人でもいるけれど、それは訊いた人にとっては本当にストレス。

 ・・・前置きが長くなりました。(ここまでは前置きです。)

 お風呂でこんな話を小学生としていたら、「ビコーズって何?」と普通に訊かれたので(そりゃそうですよね)、その意味を一度簡単に説明しておいたのです。加えて、やっぱり文例があった方がよく理解できるだろうと思って、例を作ってみたんですね。

 「~~~だからボクは城が大好き」
 を意味する英文として、
 "I like castles very much because ~~~" って。

 それで、この英文をゆっくり話して、"I like castles." はどういう意味か分かる? って訊いてみたんです。そうしたら返してくれた答えは、

 「私は城が好きです。」って。

 いやいやいや。合っているかもしれませんけれども、いやいやいや。あなた、自分が城好きなことを言うときに「ワタシは、シロがスキです。」って普段言わないでしょ!って。ちゃんと普段使う会話のように、「ボク城好きなんだよね~」とか言うべき。そうじゃないと、いくら英語っぽいものに触れたって、普段話す日本語とは違う別物の何かとしか思えない。学校の授業だか何だか知らないけど、普段使わない形の文に訳したり、そんなものと対応付けしたりしちゃダメだよ。

 むしろ「オレ城が大好きでさ~」みたいな訳し方をさせるくらいでちょうどいい。ふだん話す言葉で訳しなはれ!

 それは、英語のテストとか結局たいして(特に大学後半以降)受けたいと思わなかった私が、人と英語で(よっぽどフォーマルな場以外で)話しているときにどんだけ楽しい会話をしているかを少しでも見たことがある人なら分かってくれると思う。くだらなくも見える韻だったり心躍らせるリズムだったり、バシっと伝わるメッセージのコアを表す端的な語句だったり。もちろん最低限の文法に単語や慣用句は知った上で、「それで、何をしゃべるの?」と言ったことの方がよっぽど楽しく縁を生む空間と雰囲気を作れるんですよ、と。(そんなことばっかりしていると、それに乗ってくれる愉快な人たちばかりが周りに集まってくれる、ということもありますが。)

 そんなことを端的に、昨日のお風呂でたぶん2, 3分間でちょこっと話したのですが、これはちょっと書き起こしておきたいなと思ったので書いてみました。

 というわけで、城好きのうちの小学生が今週作っていたお城のペーパークラフトの写真を、本人の許可を得て紹介します。

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 これは何城でしょーうか?(Do you know what this castle is?)