ご報告‐シンポジウム「次世代が切り開く胎生期,発達期毒性研究」

 昨日、第41回日本毒性学会年会でミニシンポジウム「次世代が切り開く胎生期,発達期毒性研究」、文字通りの「満員」の中で終えることができました。

 「子どもの健康」を目標にして、化学物質の毒性について基礎、疫学、臨床の先生方が各々どんなことを考え、どのようにデータを集めているのか。それを出し合って、“隣の畑” のことをよりよく知ること。それを知って参加者が、自身の研究をどうデザインするかについて何かしらの考えを得て持ち帰ること。
 その目的は達成できたと思います。ひとえに、素晴らしい講演をしてくださった先生方のおかげです。

 ・・・
 種差ってどう考えるのか? 人では何が起こって、何が起こらないのか? DOHaD(出生前の栄養状態が健康状態に影響する)のメカニズムと関連は?
 「因果関係」基礎と疫学での違いは? 人で何が起こってるかは、どうしたら判るのか? “この畑” でできること、できないこととは? 効果的に明らかにするためのデザイン・予備知見とは? 結局何を見れば十分なのか? 何をエンドポイントにすればいいのか?
 ・・・

 ↓ こちらの紹介もしました。


 何より、リスク管理に必要なのは毒性データの「量」ではないはずなんですよね。

 毒性学で科学的知見を積み上げしながら、リスクをどう回避できるのかという要請にどのように応えるのか。
 規制に乗せるためのルールに則ることと同程度に、市場に問うための方法がもっとあって良いのではないかと。そして、その方がリスク回避が速く、しかもずっと効果的に実現するのではないかと、私は考えているところです。

 その市場で活かせるものって何なのか。どう思います?



 ありがとうございました。