Rでつなぐ次世代オミックス情報統合解析研究会@理研横浜

 2012年2月22日、統計ソフトRとオミクスデータ解析に関する研究会へ参加しに、横浜の理研に行ってきました。

 「バイオインフォマティクスで R はどのように使われているのか・・・よく知った人に教えてもらえ!」というのが、冒頭のご挨拶での世話人の福島敦史さんのお言葉。本当にいろいろと教えていただいてきました。


 大林武さん(東北大院)からは、R初心者のためのマイクロアレイ解析について。GEOなどの発現プロファイル公開データを扱う例を分かりやすくご教示いただきました。
 大林さんは、ご自身のウェブページで動植物の遺伝子共発現データベースを公開されています。公開データの活用法も遺伝子の共発現データベースも、私が強く関心を持つところです。どこかで時間を作って、この辺りのデータ解析の力を磨きたいものです。

 門田幸二さん(東大院)からは、NGS(次世代シークエンサー)由来塩基配列データの解析方法について。「(Rで)マイクロアレイデータ解析」「(Rで)塩基配列解析(主に次世代シーケンサーのデータ)」についてウェブ上に公開されているご本人から解説をいただけたことは、とても貴重な経験でした。M-Aプロットについての明快な説明も、改めて勉強になりました。

 さらに、二階堂愛さん(理研)からは「R+Bioconductorを使ったChIP-seqデータ解析」について。岩田洋佳さん(東大院)からは「Rを用いた量的形質のゲノムワイドアソシエーション(GWA)解析」について。
 生物の量的形質を支配する遺伝子座(quantitative trait loci: QTL)について、私は理解したくてもう少しで理解できそうで、しかしまだ理解し切れずにいます。今日の岩田さんのご講演内容を復習すると理解が進みそうなので、しっかりと復習しようと思います。

 このQTLの概念と大林さんのまとめられている共発現のような現象とは密接につながっていて、それが生体の環境応答や恒常性維持であるとか、生体内の反応調節系といったものの本質的な部分を表してくれるのではないかと、私は期待しています。

 最後に、株式会社ef-primeの鈴木了太さんから「R AnalyticFlowチュートリアル」について。これはデータ解析の流れを図示し、解析過程の再現や共有を容易にもするソフトウェアで、とても興味深いものでした。

 新しい発見あり、仲間との再会ありの幸せな1日でした。