私はここ3年ほどの間、いくつかのマイクロアレイのデータを扱ってきました。「マイクロアレイ実験について理解するためのオススメの書籍はありませんか?」といったご質問も、最近はいただくようになりました。
そこで、私がオススメするマイクロアレイの解説本を一つ紹介します。
『マイクロアレイデータ統計解析プロトコール』
藤渕航・堀本勝久(編)、羊土社(2008)
本書は、
・遺伝子測定データの標準化
・有意差解析
・クラスタリング
・ネットワーク解析
の4つの章から成っており、各々が「基礎知識編」「基本解析編」「応用解析編」に分けられています。マイクロアレイのデータを扱う方は必見だと思います。
とくに、実験により得られる膨大なデータをExcelなどで解析する手順が示されているので、解析方法を理解する上で大きな助けになるでしょう。
キーワード:
●標準化 (normalization)‐ プラットフォーム、MIAME (Minimum Information About a Microarray Experiment)、一色法/二色法、バックグラウンド値、正規化(Z変換)、global normalization、internal/external control、LOWESS (locally weighted scatter plot smooth)
<応用編>‐ Rパッケージ、RMA (Robust Multiple Average) 法、中央値分散分析 (median polish) 法、quantile normalization、タイリングアレイ
●有意差解析‐ カットオフ、ANOVA(分散分析)、post hoc検定、相関係数、
<応用解析>
GSEA (Gene set enrichment analysis) 法‐遺伝子のリストから特定の機能が集中して現れる遺伝子セットを見つけ出す方法
SVM (Support vector machine)‐判別分析、高次特徴量空間、SVM-RFE
●クラスタリング‐ グラフ理論、最適木 (MST: Minimum Spanning Tree)
●ネットワーク解析‐ パスウェイデータベース、オントロジー、テキストマイニング、iHOP (Information Hyperlinked Over Proteins)
Wikipediaより参考情報:
・DNA microarray
・DNA microarray experiment
●Microarray analysis techniques
●Gene expression profiling
●Tiling array
・Support vector machine