事業仕分けを傍聴してきました

* 以前の記事 *
競争的資金(若手研究育成)(文部科学省)に関する意見(2009年11月21日~)
行政刷新会議「事業仕分け」に対するアカデミック研究者の反応(2009年11月19日)


2009年11月25日、行政刷新会議
事業仕分けの傍聴に行ってきました。

2週間前に行われた事業仕分けの「前半」で、
科学の重要性をなおざりにされたまま
予算が縮減しようとされている
(と感じられる)
ことに対し、若手研究者がアクションを取ろうと考え、
若手で10人前後集まって傍聴してきたものです。

傍聴したのは、同日午前中の第3WGで行われた
次の2つの仕分けです。
・3-51: 国立大学法人運営費交付金
・3-52: 大学の先端的取り組み支援


事前に、「若手の会有志」から報道機関に
プレスリリースを出していたので、
取材を受けることもできました。
その中で、私(たち)が発信したかった
メッセージをここに記録しておきます。


1) 科学や基礎研究が軽視されたまま仕分けが
 行われてしまっているのではないだろうか?

2) 新しい研究を開拓しようとしているが、まだ研究資金を
 取る力のない若手研究者に対しての資金援助の必要性と
 合理性を、十分に議論してもらえないだろうか?
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 1つ目に関しては、決してそうではないという最近の仕分け人の発言があり、省庁による予算の合理性の検証が不十分であることが問題であったことに対して、議論されているようです。

 2つ目に関しては、若手研究支援事業について、「当事者である研究者に何も知らされずに重要事項が決定されていくこと」には、やはり大きな不安を覚えます。

 事業仕分けの進められ方にも不安を感じました。発言の機会が偏る可能性のあるやり取りが、一部に見られたことです。片方(“仕分け人”側)の意見だけが出された後でもう一方がコメントを出そうとすると、「これは意見なのでコメントは結構です」と止められてしまうケースが見受けられました。
 時間的制約があるのは仕方のないことですが、各仕分けの最後にいったん結果をまとめ、「取りまとめ結果の公表」をする以上、片方の言い分しか聞かない部分があることは不適切であることは間違いないことだと思います。
 おそらく、仕分けの後にも議論が進められて、予算編成の内容が最終的に決められるのだとは思いますが、それでも発言の機会が偏る可能性は排除すべきことであると感じました。

 一方、研究者の側にも、これまで基礎研究の重要性や、税金を使うことの合理性を説明することが不足していたことが、反省すべきことであると考えられます。(傍聴した感想としての考えだけではありませんが。)

 「市民の目線から、科学や基礎研究の重要性を説明する。」

 このことが、研究者側に求められていることなのだと思われます。ただし、これを研究者自身がやるべきかどうかは、議論される点ではあると思います。

 最後に、私の勉強不足で、伝えたいことが伝え切れなかったのも否めず、そこは残念でした。また感想や意見をまとめながら、記録していきたいと考えています。

 

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