4年前の9月30日、金曜日。私にとって、これまでに一番つらかった日だったと記憶しています。
私は大学4年生で、研究室では卒研生でした。次の日は、箱根駅伝予選会の選手の「選考」が控えていました。8月に菅平と青森での合宿をこなしたものの、9月に入って研究室が再開すると、またなかなか練習ができませんでした。徐々に調子を落とし、「選考」前夜に決めたことは、陸上部からは身を引こうとした日です。
4日前の9月26日に、卒研生としての中間発表を終えていました。しかし、卒研を仕上げる期間がその後2ヵ月半しかないのに関わらず、その先の予定をまったく描けなかった時期。さらに1月には卒業試験、3月には薬剤師国家試験と途方もなく思えてしまうイベントが
控えていたあの時期に、「走ることをやめよう」と一人で決めてしまっていました。
実際には、無意識に走り出してしまうようで、4日後には、のんびりJogを再開していました。しかし、走ること、走れないことを考えることが私にとって“薬”にならないことが分かっていたので、それは考えないことにしていました。
最後、結局はまた走ることにして、OB(大学院生)として陸上部の部室などにも出入りさせてもらっているのですけどね。
走ることを考えるのをやめていた間に、「走る」以外のことでいろいろなことを経験しました。
10月始めに、日本科学未来館の「サイエンス・トンネル」という企画を知り、その月末に行ってきたこと。(今年の10月末に『サイエンスアゴラ』で行くのも、この科学未来館です。ここに行くのが今年が初めてではなかったことに、今朝気付きました。)
科学のイベントに関心を持てたのは、このときが、とても久しぶりでした。
他に、走るのをやめたのだからと10月6日初めて献血をしたこと。10月7日に4つ上の先輩が研究室にいらっしゃって、「モノを書く(出版する)」仕事についてのお話を聞かせてもらったこと。(この先輩には、今も仲良くさせてもらっていて、今年、来月の10月11日には、先輩のお家に遊びに行ってもきます!)
この頃、母が入院していて、10月11日にそのお見舞いに行ったこと。その深夜に車で大洗に向かって、大洗の港で車の中で一夜眠ったこと。
とても暗くて、結構恐かったこと。
10月12日の朝一番で、そこの海岸沿いを走ったこと。
そんな風にしながら、いろいろなことを考えて3週間を過ごしました。そして、10月22日の日記。振り返ると、「そんなこともあったか」という程度のものですが・・・
考えること、考えたいこと。卒業論文、国家試験に一年後に始まるであろう就活。考えるのはいいのですが、ハマって、考えすぎて、自分が動けなくなってしまいました。そうなると自分の無力さを感じるようになり、『結局自分は何もできていないではないか』と思うようにもなってしまっていました。
そこで、自分に何ができるのか。それを許される限りの時間を使って考えた3週間でした。そこで、やっと思い知りました。どんなことも、考える『だけ』で事の済むものはないこと。しかし、考えながらやっていけば何とかなるということ。そう気がつくと、目の前に控える大きな課題もしっかりこなしていけると確信することができました。
そう思えた時点で、どうするか。
そう思えた時点で、私はやはり走り続けることを選びました。今や、研究室の先生も、仲間も、走ることを応援してくれますし、それどころか、一緒に走ってもくれます。走らざるを得ない状況にもなっていますが、走り続けていて良かったと思いますね。
昨日は、4年前に私も経験した、卒研生の中間発表が終わりました。年々、後輩の発表が色々な意味でうまくなってきているのが感じられて、とても嬉しく思ったりもしています。
それでも、きっとまた色々と考える時期になります。10月も頑張りましょう!