銚子・犬吠埼で教養を試される

 昨年末、念願だった関東地方東端の銚子・犬吠埼に行ってきました。本当は先日鹿嶋に行ったときにハシゴして行こうと思っていたところを、その日には行けずに別日での訪問になった所です。

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 ここは地図で見てもゴツゴツとした海岸線で、太平洋に向かって東に突き出す岬。層の重なる岩の連なる、思っていた上に特徴的な地形にワクワクが募ります。

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 なんでもここは、太平洋の海底だったところから、白亜紀に隆起して海上に出たという歴史を持つとのこと。その隆起後に削られ、地表近くで白亜紀の化石も出る地層ということで “ジオパーク” に指定されている岬です。

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 思わず化石を探しちゃいましたね。潮だまりでは魚や貝、カニなどの生き物も観察できますしね。

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 しかし、ここで「へー、犬吠埼も元は海底だったところから隆起したんだね」と話していたら、うちの小学生からは「そうだね、常識でしょ」とツッコミが入りました。これがその、日帰りの犬吠埼にて試された教養・・・。(彼はどこで知ったんだ?)

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 ここの隆起で犬吠埼が半ば島のようになっていた時代、西側の海底(当時)には栃木や群馬の方から小貝川や鬼怒川、利根川の流れで土砂が溜まり、平らな底を作りました。今でもその平らに重なった地層が、西側の下総台地の下に広がっています。

 これをイメージさせる地形図は、インターネットでもいろいろなページで見ることができますが、

東京低地の成り立ち葛飾区史)
6000年前の地図に見る東国三社の位置

その下総台地の南東岸には、太平洋の荒波に削られて地層がむき出しになった部分があります。それが、先日も行こうとしていた屛風ヶ浦。

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 地球の丸く見える丘展望館から。

 その地層が見える、今回辿り着けた崖側の遊歩道は、期待を裏切らない景色の広がる道でした。

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 前に夕陽を眺めた飯岡灯台(旭市)側とは反対の、東の銚子側から入る遊歩道でずっと見える景色。犬吠埼を頂とするこの地層は西に緩やかに沈んでいく方向に傾いていて、東京都心の地下3000メートルに繋がっているのだとか。そんな層を間近に見られる場所なんて他にあるのかな。

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 西(左)側にやや傾いて沈んでいく筋が、遠目にもうっすらと。
 さらに、この層がはっきりとズレて見える断層も至る所に見えますし、白い火山灰の積もった層は軟らかいために他以上に削られて凹んで見えたりもします。地面は動くものなのだと感じられて面白い場所でした。

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 また次の機会も楽しみに。