小野川温泉と上杉鷹山とさくらんぼ@山形・米沢

 6月といえばさくらんぼの季節で、これをいただきたいぞということで、今月中旬は山形南端の米沢に行ってきました。計画が直前すぎて市街のホテルが予約できず、何も調べないまま小野川温泉に宿泊したのですが素晴らしい場所でした。


 源泉100%の温泉。高めの湯温に、析出した湯花の漂う温泉成分。小さい人たちと熱い熱いと言いながら楽しみましたが、源泉の湯温は42.5℃あったようです。この人たちとの家でのお風呂はいつも38℃ほどなので、こりゃ熱い。昔ながらのこの旅館は、以前に皇族の方もいらしたことのあるところだったようです。


 小野川温泉の名前は、830年代に小野小町が見つけたと伝わることが由来。小野小町は東北地方・秋田の出身と言われる、百人一首にも登場する歌人で、あきたこまちの由来でもある人物です。その小野小町が、米沢で病に罹るもそれをこの地の温泉で癒したことから、その湯が小野川温泉と呼ばれるようになったとのことです。

 それに、ホタル! 6月後半から見られるというその光を、偶然にも今年初めて見られる日だったということで案内していただいた散策ツアーに参加。あんなにたくさんのホタルを見たのは初めてでした。明るくゆったりと光るゲンジボタルに、今日出始めたという速く点滅するヘイケボタル。その光の緑色も、見てとてもよく分かる美しさでした。


 その感動が、自分の写真ではまったく伝わる気がしませんが・・・。暗い中で写真を撮るのは難しい。


 夜にはホタルの見られる場所を、朝また散歩。6月中旬は、温泉の流れ込む温かい流れの周りにほんの出始める頃で、これから7月初めにかけてもっと見られるのだそうです。首都圏ではもう咲いている紫陽花が、小野川温泉ではまだ開花前。標高320mほどですが東北地方の入り口で、やはり少し涼しいんですね。


 町に下りると、米沢城跡。


 今も町中に、水堀に囲まれた史跡として残っています。米沢は、関ヶ原の戦いの後に上杉景勝会津から移封されたことから、


上杉謙信も祀られた土地であり、東北の中心地・仙台の基礎を築いた伊達政宗の出生地。一方で、景勝が関ヶ原での「西軍」方だったこともあり、後々まで藩の財政が困窮していた中で、「為せば成る 為さねば成らぬ 何事も 成らぬは人の 為さぬなりけり」の言葉で有名な上杉鷹山1800年代に活躍した土地でもあります。

 ここには、景勝の重臣直江兼続の「愛」を乗せた兜の折り方の展示も。


 その折り方を知ると、自分でも黒や金色の折り紙でカッコ良い作品を作ることができるので、小さい工作好きの人たちなどにオススメです。うちの小学生(当時)も、帰ってからいろいろなバリエーションで作っていたものでした。

 そして、今は果物王国の山形。さくらんぼはもちろんですが、上杉城史苑で売っている果物ゼリーも、この6月の時季になると食べたくなるのです。


 今回と一昨年は泊まりで行きましたが、2020年には “新型コロナ” とやらで自由を奪われんとして、片道4時間のここまで日帰りで行き来したりもしたのでした。


 行き先のこの「上杉城史苑」の店頭で、例年はたくさん見られるさくらんぼ。2024年は、前年夏の高温の影響で少し出来が良かったこともあってか、直売の並びが少ないようでした。2024年は、春から新型の新幹線車両(E8系)も運行されている山形。これからもたくさんの果物がとれますように。