脳切片法による血液脳関門の形態学的評価(他大学での後輩の活躍)

 うちの研究室で修士課程を修了して他の大学院に進学し、現在博士課程2年生の後輩が、進学先の研究室で共著者として論文を発表しました。
 嬉しい報告!(昨日、ご本人にお会いしたときに報告を受けました。)

 Nuriya M, Shinotsuka T, Yasui M:
 Diffusion Properties of Molecules at the Blood–Brain Interface: Potential Contributions of Astrocyte Endfeet to Diffusion Barrier Functions.
 Cerebral Cortex, Epub Jul 9, 2012

 この研究では、脳切片法で血液脳関門(BBB)の形態学的特徴を、色素(Alexa Fluor 488)の浸透性により評価しています。結果として、BBBの本態である血管内皮細胞と脳実質側の細胞であるアストロサイトとの間に、細胞間隙のない部分があることを証明しています。これは、アストロサイトが形態的にBBB機能の一部を維持していることを示唆するものであるということです。

 この後輩が論文の共著者となっただけでなく、内容自体も興味深いものです。しかし、それ以上に私が嬉しく思ったことは、彼自身が以前の仕事(学生研究)で得た経験や考えと向き合い続けて、それを活かしながら今(次)の仕事を進めていることでした。
 嬉しいお話!

 彼と会うといつも勉強になるのですが、私自身からも有用な情報を返せるように心掛けたいものです。