BMB2010(2-3日目)参加報告

2PN8 「脂質生物学の魅力」
 清水 孝雄先生(東京大学

生体になくてはならない「脂質」の講演。
とくに、脂質の合成酵素の話題が興味深かったです。
たとえば、LPCAT1は肺に発現しており、
それをKOさせた動物では、肺サーファクタント脂質に
変化が起こるのです。
しかも、それは量的な変化ではなく、
脂肪酸の組成が変わるという質的な変化であるとか。

論文はこれですね。

Nakanishi H et al. (2006)
Cloning and characterization of mouse lung-type acyl-CoA:lysophosphatidylcholine acyltransferase 1 (LPCAT1). Expression in alveolar type II cells and possible involvement in surfactant production.
J Biol Chem 281(29): 20140-20147

先生とはご講演の後に、お話もさせて頂きました。
私はこれまで、肺サーファクタントについての知識が
タンパク質の部分に偏っていたので、
脂質成分の解析法やそれに関することを
もっと知っておきたいと思いました。


2W11-3
コラーゲン特異的シャペロンを標的とした肝線維化治療
 佐藤 康史先生(札幌医科大学

私は、あまり肝の線維化や肝硬変の発生機序について
知識を持っていなかったのですが、
これはこの分野を俯瞰しつつ、新たな治療標的分子を
提示してくれる興味深い発表でした。

Sato Y et al. (2008)
Resolution of liver cirrhosis using vitamin A-coupled liposomes to deliver siRNA against a collagen-specific chaperone.
Nat Biotechnol 26(4): 431-442

キーワードは、liver fibrosis、collagen、HSP47、
他にECM(細胞外基質)、TIMP、MMP、四塩化炭素、
ジメチルニトロサミン(DMN)。
後日、勉強し直したいと思います。


肝臓の研究といえば、私の友人の発表していた
肝毒性のex vivo評価系(細胞の共培養系)の
研究も非常に興味深いものでした。
最近、私の中で肝臓の生理学がアツイです。


最後に、学会周辺で撮った写真を2枚。




学会会場到着間近にポートライナーから。
今朝は寝坊してしまったので、
もうポートライナーが空いている時間でした。

このポートライナーから見える
神戸の海の風景はきれいです。
昨年紹介しましたね。(→こちら



こちらは12月の三宮。電飾だらけです。