2019.10 台風19号

 たびたびの台風による被害に合われた人たちに、心からお見舞い申し上げます。ちょうど5週間前に来た風の強い台風15号に続いて、今回来たのは風も雨も強い台風19号でした。
 「数十年に一度の重大な災害」の可能性として大雨特別警報も出た週末で、実際にその災害が起こってもしまったわけですが、「数十年に一度」も何もまた来年起こってもまったくおかしくないと思うので、見たことや感じたことを書いておこうと思います。

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 10月12日(土)の首都圏は午前から風が強まり、夕方すぎから豪雨の予報。数日前から首都圏直撃の予報があり、2~3日前からは鉄道運休のお知らせもあったけれど、前日にはその概要が決まってきた。12日(土)、朝は都心で雨が降り始めても茨城県南に雲が来るまでは時間がありそうだったが、

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 7:20ごろ、雨も風もまだないタイミングで1分間程度の謎の停電。みんなが一斉に洗濯機でも回したか? 8時半すぎからは、茨城県南でも断続的に強い雨に。台風本体(暴風域)が来る前から停電の情報が入ってきて、大丈夫なのだろうか、などと思いつつ。これがその、台風本体はまだまだこれからというタイミングでのニュース ↓ ↓

headlines.yahoo.co.jp

 7歳半の人は市のハザードマップ(*1) を見ながら、地図を読める自分の出番とばかりに避難場所を教えてくれる(嬉々として)。

 台風の進路は、予定より西寄りだったように思う。報道での洪水の映像が、静岡かと思ったら三重(五十鈴川)だったり。

 午後に入ると茨城県南でも風雨が強くなってきたが、それでも首都圏の中ではだいぶマシな雲の縁だったようだ。山手線の西側、多摩から神奈川とか雨雲レーダーで真っ赤。よくても黄色。台風本体が来るのがこれからという時間帯で、多摩川大増水との報。

 12日13時から運休で駅も閉鎖することが決まっていましたつくばエクスプレスも、実際に運行を終了したのが14:10。


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 この時間帯から、箱根や相模川の報道も増えてきた。NHKもいろんなことを言っていた。相模川上流の「ダム緊急放流」を予告する話は、テレビを通して伝えて意味のある情報だったと思う。実際には最後まで実施時刻がブレたものの、雨量が多かったので結局は、他を含む複数のダムで緊急放流が行われた。

 一方で、15時半ごろ出た「大雨特別警報」発令時に人を脅すだけの報道は、とりあえず伝えることだけが目的になっていて、何のために文字を音声を並べているのかが分からず「相変わらず」の印象。脅し口調の知らせを一時流しただけで、他に言っていることは特別警報が出る前と同じだったように思う。むしろ「少しでも命が助かる可能性が高い行動を」という報道は、情報を発する側はやることはやったからなという免罪符のようにも聞こえ、災害時に頼りにしたいと思う報道ではなかったように感じた。

 関東の山沿いを中心に豪雨が続く中、心配な状況をチェックするのに役に立ったのはインターネット。川の名前を検索しただけで、Yahooが河川の各計測所における水位の推移を示してくれていた。

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 12日(土)夜の22:50。報道で何度も出ていた多摩川だけでなく、複数の河川ですでに氾濫が(この時点では決壊でなく、越水だったと思うが)起こってしまっていた。

 昼から鳴っていた緊急速報メールを知らせるスマホのアラームが、夜にも鳴った。これもどうなんだろうか。
 スマホをマナーモードにしていても音を鳴らしてお知らせが来る「緊急速報メール」。これまでは緊急地震速報と、“北”からのミサイル発射の警告だけだったと思う。これらは突然音で知らされることにも納得がいく。いつ来るかがまったく分からないものだから。
 しかし一方で
、大雨や台風のお知らせはどうなのだろうか。数日前から来ることが予報されていた。それに対してできる備えをこちらはする。幸いにも私たちは避難する必要に迫られなかったが、場合によっては避難もしただろう。

 この予想される気象変化の情報を、危機を知らせるとはいえ消音しないアラームで知らせるか? 22時すぎ。風雨の音もする中で、こちらはやっと子どもたちを寝かしつけたのだ(もっとも、彼らが一筋縄で眠りに就かないのは風雨のためでなく、寝る寸前まで一日を楽しむ彼らの特性あってのものだが)。対象を決して絞り切れないこの “速報” の警告音で、彼らがまた起こされたらどうしてくれる?
 しかも、子連れで避難所に行った場合は、子どもが寝ている中で一つの速報により避難所じゅうのスマホのアラームが鳴り出すというのか? こっちが寝ていなくても「悪夢」である。

 設計者の怠慢とは今は言わない。技術やサービスは、使われ試される中で良くなっていくものだと思う。台風など、予報されていた大雨により迫る災害の告知をどうするか。それは、全国各所であった最近の災害での例をよくフィードバックをして実装の仕方を修正してほしいと思う。その改善がなかったら、それはサービス提供者の怠慢だろう。
 もはや蛇足だが、翌日に至っては「(今回の台風に伴う)避難情報をすべて解除とします」のお知らせまで、マナーマードによる消音を乗り越えた警告音とともに知らされた。これ、「速報」の使い方に伝え方、間違っていませんか?

 しかし、大雨というのは事実やはり怖いもので、台風が通過した後の夜明け前後から、堤防の決壊などの惨状となってしまった。山間部に降った雨は、降った後に集まって流れてくるので、小さくないタイムラグの後に中流から下流の水量が増してくる。そのタイミングで、堤防が決壊したり橋が崩落したりということも起こってしまう。

 上の12日(土) 22:50の時点で、今回の台風は関東地方の山沿いだけでなく、その向こうの甲信越にも大量の雨が降り、千曲川で氾濫が始まってしまっていた。その千曲川で、日付が変わり夜もだいぶ明けた後の時間に・・・

www3.nhk.or.jp

 この橋のすぐ横を、私も休暇のたびに走ったり、昨年秋にはうちの6歳の人(年齢は当時)も走ったり、この列車に乗って観光していたりもしていたので、悲しいです。

 我らがつくばエクスプレスから見ることのできる利根川も、

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 翌13日(日)の昼前で、こんな状況。

 
“水辺” になっているのはサイクリングロードのすぐ横で、普段は草木が茂っているのが見える場所。水なんてまったくない場所です。通常水が流れているのは、この泥水の間に浮かんでいる木の頭の向こうだけ。それももちろん、もっとずっと低い水位で。

 被害に遭われた人たちの地域の、一日も早い復旧を願うばかりです。
 

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(*1) 守谷市ハザードマップ