忙しいときこその感謝と人のこころ

 いろいろな仕事に触れ、いろいろな人にお世話になった今年も、残り時間でこなせる打ち合わせは数少なくなってきました。
 12月22日の夕方、打ち合わせのお相手は、幼児教育の実践研究をされてきた先生。打ち合わせの主題は数分で終わり、あとの2時間の余談(?)がメインテーマになりました。

 知識は、必要になれば身につけられる今の社会。人の道を切り開くのは、「自分でやると決めたことを、些細なことでもしっかりやり切ること」だと。それは私にも分かりますよ。でも、続く言葉に度肝を抜かれました。

 「私はね、自信がありますよ。1時間の講義でもってね、人の考えを変えられますよ」

 って。
 考えを変えられる、というのは正確には、気づきを与える、ということだと思います。が、これもそうそうできることではありません。たしかに、話したいことを並べた結果、なんとなく聞き手各々が何か気づいてくれる、ということは誰にも多少なりあるでしょう。しかし、気づいてほしいと思うことを狙って、それも討論形式でなく多くの聞き手を前にする形で、狙って気づかせることは、そうそう誰にもできることではありません。

 何を実現するために、どんな人に、どんなことを気づいてほしいのか。それをはっきりと認識していなくては、到底成し得ない。それに気づけない多様な理由を理解していないと、それを越えられるかもという効果的な気づきはもたらし得ません。

 その先生が、これまでの経験から最大限の成果をあげるべく、来年から「人間研究の集大成」をしたいとおっしゃる。人との関わりから人を知り、それを人との関わりに活かしていく。それこそが、社会で得た知の価値を人の社会に還元できるということに他ならない、ということか。

 ※そんな先生の御言葉を少し知りたいと思った方は、是非こちらを。⇒『良いことに上限はないんだ』

 思えば、この先生との小さな出会いがなかったら、私が今ほど人に興味を持つことも、いま先生からの大きな学びもなかったのかと。

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 何か仕事を完成させたいと思ったときに勝負を分けるものを、その先生はいつも「感謝」だとおっしゃいます。これは、私も今年痛感しました。

 PCの「付箋」機能(普段は非表示ですが)で、今年私はデスクトップ画面に次の3つを貼りました。


ねらいを研ぎ澄ませて、適確に。
・忙しくても、メールに御礼の一言入れることを忘れずに
・稼ぎ続ける力: ①やりたいことを極めること、②自分だけのもので勝負すること

 忙しくても… って、何にそんなに忙しかったのかって感じですが。本当に忙しいときに、コミュニケーションをおざなりにしてしまいそうなときにこそ、心に留めておきたいと思ったこと。それは、

・今やりたいこと
・感謝

 の2つだったということです。
 忙しくなって、細かいことにまで気が回らなくなったときほど、“素” の自分が表に出る。だからこそ、素で勝負できるようになりたいとも、素でしか勝負にならないんだとも思うところです。

 また、上の先生とは、「子どもに何を伝えるべきは何なのか」 というお話も度々させていただくのですが、それはこの2つで十分だな、とも思うところです。

・やりたいことをやることへの応援
・言葉や力をいかに使うべきか
 
 「専門分野」が細分化され、多くを学んだはずの人間が何を語るべきかが問われている今、言葉や力を持ったときにどうするのか、これを自身に問えることの意味がより一層増していると、改めて感じるこの年末です。