咳かぜ2歳児連れて

 今はだいぶ冷静になったけれど、昨日の朝に焦りまくった気持ちを書き残しておこうと思う。

 一昨日は午前中に都心出張。その朝、いつも通り元気な2歳児のトランプ「ひとり七ならべ」を見守って、無事に終わってさて保育所へ、と思って検温したら、38.7℃。冬でこっちの手が冷たいこともあり、測るまで全然分かっていなかった。ぎゃぎゃ。
 自宅から車で10分ほどの妻の実家に送って、出張へ。25分ほど見ていた余裕をあっという間に使い尽くし、ギリギリ間に合って(と言いたいのですが、最後道に迷って間に合わず)着くことができたのだけれど。
 その一昨日は終日熱があったので、昨日も保育園を欠席することに。

 で、昨日は朝、車で1時間の所の実家に2歳児を送って、そこからさらに車で40分で大学に行く。・・・という予定でしたが。

 全然着かない。渋滞ばかり。T字路左折の無意味な赤信号や、見通しの良い道の一時停止標識を心から恨めしく思いつつ。
(こういう状況でなくてもいつも思うのだけど、あれ要らないし本当に不経済だと思う。) 兎にも角にも、湧き起こる焦燥。予定より30分遅れで実家に到着。母は、「12月はやっぱり車が多いよね。工事も多いし、渋滞ばかりだよ」と言う。

 今日の一番大事な仕事は朝だったのだけど、これではどうしても間に合わない。

 1時間でも2時間でも余裕を持って動くべきだったと言えば、その通りだったと思う。でも、それでも限界はある。私には、まだまだ経験も足りないようだ。余裕のあるスケジュール管理ができてなかったってことだ。
 カーナビは、大学に向かう道も渋滞であることを示している。憔悴。いろんな人の顔が思い浮かんできて申し訳なくなるほど、焦るだけで、ハンドルをまっすぐに持てる精神状態でもなくなるのを感じた。素直にブレーキを踏めるかもアヤしくなりそうだった。

 やめよう。

 そもそも、ここで無理をしてラボに行ったら、子どもが風邪引いてもどんな手を使ってでも職場に行くべし、というメッセージを学生に送ることにもなる。それは私の本意ではない。
 そうではないだろうというメッセージを、できれば事前に、私自身も受け取っていたかった。そう思って、昨日のこの気持ちをここに書く。スケジュール管理の戒めを心にしまいつつ。

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 大学方面に向かう右折レーンに入らず左折をして、上司に欠席の連絡を入れ、2歳児を預けた実家に戻った。ちょっとホッとする。そもそも、渋滞でトイレにも行けていなかった。そういえば、昨日も乗り換えはギリギリだったので(何より突然の事態だったので)、出張先ではじめにお手洗いを借りたのだった。
 ともかくそうして、保育所を休んだ2歳児を、母と一緒に自分で看ることにした。オンラインで仕事を少しは進めながら。これでも私は、ラボ外でもできる限り仕事ができるように、ずっと前からインフラ整備をしている方だと自負しているのだけれど。

 私の場合は遠くない場所に頼れる人がいるので、憔悴したとしても一瞬で済む。でも、そうでない人も少なくないんじゃないだろうか。もし自分がそういう状況だったら、一体どうすればいいんだろう。


 あー、みかんおいしい。

 最後にもう一つ、書き加えておきたいことがある。私がこれをオープンに書き記したのは、この焦燥を次にうまく避けたいからと思うからに他ならない。ただし断っておきたいことは、だから仕事しながら子どもを見るなんてやっぱ無理だ、と思われることも本意でないということだ。

 もちろん、やりたいかやりたくないかは人それぞれ。けれど、仕事と我が子の両方を見たいと思ったら、とにかく信頼できる味方を増やすことだ。保育所の「先生」も、小児科の先生も、近所も親戚も職場の人も。ただし何かの突発的な事態のときに、お願いできる皆が頼れる状況にある保証はまったくない。だから、頼れる引き出しは多ければ多いほどいい。
 そのためにも、稼ぎ続ける力をつけることは重要だ。お金がすべてを解決してくれるわけではないが、お金で得られる引き出しにもかけがえのないものは多いし、逆に、価値あるものにはちゃんと対価が払われるべきだとも思う。

 そして、そういうニーズが社会でもっと共有されることと、やりたいことを楽しくやる姿を大人がもっと子どもに見せられる社会になること、これらを願ってやまない。やりたいことにこだわれることこそが、人を、そして人から成る社会を成長させていくと思うので。

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 冒頭の「検温」の前日、保育園では19人のクラスのうち7人が、咳かぜ・鼻かぜで欠席していたと聞いた。我が子含めみんなの健康第一と願いつつ、咳の続いた体力消耗を考慮して、明日も保育園はお休みする予定。そう、私は「子どもの健康」のためにこそ仕事をしていきたいのだ。