生化若手・中四国支部で「若手のあり方」を考えた

 2014年11月29~30日、生化学若い研究者の会・中四国支部の「生命科学 秋の集い」にパネリストとして参加してきました。こうやって、多くの大学の出身者や大学生・大学院生と話す機会をいただけることはありがたいこと。私には、大学院生からの問いに乗せて伝えたいことがあります。
 ※事前にリストアップしていた、関連エントリ集は→こちら(U-runnerの大学院教育スタンス)

 やりたくないことはやらない選択も考えてみるとか、並行プロジェクトのスケジュール管理の実際とか、話したい人には逃さず突撃すべしとか(それで嫌われるくらいなら、初めから無かった縁なわけで)、人との縁や自分をサポートしてくれる人を本当に大切にとか。

 勝負所には時間をかけてでもとことん本気で向き合うこととか、勝負したいならメモすべしとか、アウトプットの質は考えてきたことの質(インプットだけでは全然決まらないという意味)だとか、「なかなか答えを言わない」話とか、この話(→大学院で身につけたい研究マネジメント能力)とか、「研究」自体いま見えている以上に多様なものだから、やりたいと思う研究を、issue-drivenで自由に思い描くべしとか。

 学生とのやり取りではひたすら焦らないとか、予想外の結果や回答に研究の醍醐味があるとか。私のボスも、以前に学部紹介資料ではっきりと仰っていたんですよね。
 →武田健薬学部長(当時)「“遊び”への誘い」

 ※翌日追記: たしか話し切っていなかった「論文の書き方」について、関連エントリを並べておきます。
 ・卒業論文(学位論文)の書き方‐何を言いたい論文、何を言えるデータなのか。「卒業論文」と書いてありますが、外に出す学術論文であっても同じことです。
 ・卒業論文(学位論文)の書き方-2‐明示すべき「課題」と「結論」をとことん。
 ・論文 "Introduction" の書き方
 ・「ほとんど」という言葉の無意味

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 さて、今回一緒にパネリストをしてくださったのは、竹内隆先生と内藤寛先生のお二人。私と違い、落ち着いてしっかりと話してくださる方たちだったので、私は安心して極論を口にすることができました。それを端的に示すことが、本当に解決したい問題はなんだっけ、本当にやりたいことはなんだっけ、という気づきのきっかけになっていれば嬉しいです。

 竹内先生の、留学先はphilosophyを学べる環境で選べ、は格言だったと思います。留学だけでなく、いろんな進路選択のときに頭の隅に置いておきたい言葉です。

 あと、質問が絶えず話題が尽きなかったこと。それと、こちらが逆質問したときに誰もが精一杯、考えて出てきた答えが返ってくる雰囲気が、この上なく楽しかったです。感謝。



 場所は西条。今朝は晴れて美しい景色でした。

 昨日、29日に京都の学会で研究発表して、直後に飛び乗った新幹線とタクシーでここに向かって、このイベントで計14時間しゃべり続けて、飛行機で寝て起きたときに話しかけてくれたアテンダントさんとおしゃべりして、羽田ですれ違えた共同研究者の先生とおしゃべりして。電車ではさすがにと思ったのに、表情の素敵な隣の母子とおしゃべりして。帰って家でおしゃべりして。
 いろんな人が、いろんな話し方をするのを知るのは面白い。



 有馬温泉(先週)京都の紅葉はきれいと思っていましたが、守谷に帰ったら、これまたきれいな紅葉が迎えてくれました。寝ている間くらいは、ゆっくりしようかな。(2歳児が安眠してくれますよーに。)

 その場でしかできない経験、あなたにしかできない経験。今後の大学院生活が、皆さんにとってそんな経験に溢れた場になることを切に願っています。

効果的に共同研究を進めるための、私なりのポイント(2014年12月7日)
大学院生の教育環境とキャリアパスを「ガチ議論」@第54回生化若手夏学(2014年8月29日)