仙台で行われているアジア毒性学会議(AsiaToxVI、2012年7月17~20日)に参加しています。学会では、毒性評価を効率化するためのプロジェクトが複数あることを知り、興味深く思いました。
19日には、私たちの研究課題でもあるNanotoxicologyのシンポジウムがありました。菅野純氏(国立衛研)からは「慢性影響評価を!」という講演、Myung-Haing Cho氏(ソウル国際大学)からは「マテリアルの表面構造(意外と“簡単に”変わる)の確認を!」という講演。
いずれも有害性評価において重要な視点である上に、新しいデータも示され、とても勉強になりました。
<AS6-1> by Jun Kanno
Nanomaterial toxicity, its chronic aspects
<AS6-3> by Myung-Haing Cho et al.
Toxic mechanism of synthesized zinc oxide nanomaterials with physicochemical characterization and reactive oxygen species properties
-> Park et al. Toxicol Lett 207: 197-203 (2011)
また、初日の特別講演は“21世紀の毒性試験”の展望と題され、いくつか興味深い情報を得ることができました。
<SL1>
Toxicity testing in the 21st century -- a vision and a strategy (Daniel Acosta Jr)
以下、関連論文とプロジェクト
(効率的な毒性評価法を開発するプロジェクトについて)
・Kroll et al. Eur J Pharm Biopharm 72: 370-377 (2009)
Current in vitro methods in nanoparticle risk assessment: limitations and challenges
・Berg et al. Toxicol In Vitro 25: 874-881 (2011)
Toxicology in the 21st century--working our way towards a visionary reality.
・トキシコゲノミクス・インフォマティクスプロジェクト(医薬基盤研・国立衛研ほか)
・Tox21(Toxicology Testing in the 21st Century、米国)
[NIH website] [NTP website] [EPA website]
・PredTox(Predivtive toxicology、EU)
Suter et al. Toxicol Appl Pharmacol 252: 73-84 (2011)
(学会会場、仙台国際センター)