日本毒性学会2015@金沢

 土曜日の夜から学会で金沢に来ています。4年ぶりの金沢です。





 到着して明けた日曜の朝、学会の生涯教育講習会で講演してきました。「miRNAの分析技術とバイオマーカーとしての可能性」というタイトルで。microRNAの機能や特徴に、生合成などの基礎知識、計算科学的な研究技術(Computational methods)まで、ザッと紹介するといった内容でお話ししてきました。


 Koufaris C et al. Toxicol Sci 128: 532-543 (2012)から。判定に時間のかかる肝発がん(2年)を、3ヶ月間投与で生じるmiRNA変動プロファイルから予測できるという報告。非侵襲的に採取できる試料で同じことが判るようになったら、もっと有用だろうと思います。

 毒性マーカーとしてのmiRNAの可能性や、体液中のRNA (circulating RNA) の話題あたり、狙い通り関心を持ってもらえたかなぁというところです。その場の雰囲気で思わず長めに話してしまった、「生合成などの基礎知見」への意識が効いて、効果的なmiRNAの応用が少しでも近づいてくれたら嬉しい限りです。

 miRNAは毒性マーカーとして、医薬品等の安全性評価にも使えるものだと思います。が、他のバイオマーカーと同じく統計解析やライン引き(criteria設定)の方法が問題になるでしょう。
 陽性/陰性判定の境界領域の判断に、noiseシグナルや個人差/個体差の扱い。この辺りは、マイクロアレイやNGSの大量の生データとにらめっこしてきた人とか、強いと思うんですけどね。

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 ここ最近、ご飯を食べる暇があったら仕事をしたい(けど頑張ってちゃんと食べるけど)という日が続いていましたが、金沢で学生と合流してから、やっぱり食べて楽しまなきゃ損だと思い直しました。



 そして2015年6月最後の夜は、大学院で一緒だった富山の後輩にも会ってきて。富山ではしゃべり過ぎて、カメラの存在は忘れられていました。


ので、この写真も金沢です。

 7月も頑張りますよー。