成長するためには自分の潜在意識に良い働きかけをし、それに身を委ねること― そのようなことが書かれた本を読了しました。
井上裕之著『30代でやるべきこと、やってはいけないこと』(フォレスト出版、2011)
終盤の第6章「自由に選択できる人生を手に入れる!」と第7章「30代でやってはいけない10のリスト」には、私も頷ける内容が多く示されていました。
●「自由に選択できる人生を手に入れる」には―
いくつになっても青春だという主張には大いに賛成だが、それはいくつになっても何も変わらなくて良いという意味ではない。
目標を達成したときのイメージを具体的に把握すること。
勝負は、爆発的な成長が訪れるときまで、自分のモチベーションを保ち続けていけるかどうか。
常識を持ち出すことは、自分の可能性を否定すること。
人間性を磨くためには、まず自分へのこだわりを捨てること。
●30代でやってはいけないこと―
・“ワークライフバランス”自分が怠けるための口実にすること
・絶対に損をしたくないという意識
・欲や利害を土台にした付き合い (など)
本書には、そのまま賛成できない節も少なくなかったのも事実です。とくに、本書が前提としている状況把握が人の行動や社会の一部を捉えたものであるように思われ、本書の内容をすべて頷きながら読み進めることが良いわけではないとも感じました。
しかし、それでも本書から拾えるキーワードには価値あるものが多いと思います。それを、自分の言葉に換えながら読み進めるのが良いでしょう。また、この本は読者ターゲットを30代もしくはその直前の層によく絞って書かれています。内容自体は20歳前後(大学生程度)にも知ってほしいものですが、本書の言葉の使い方は「仕事を始めて5年ほど経った人」の心に訴えることに集中しているように思われます。
●天職を探すべきか―
天職は、目の前の仕事に懸命に取り組み、それを持続していくことによって見えてくるものである。むやみな“天職探し”はしなくていい。
「精いっぱい」という枠が自分の可能性を狭める可能性、自らの視野の限界と世界の限界は別物であるということは理解すべき。
私には、少し心に引っ掛かるものも感じながらの読書になりましたが、私の見込む後輩からの薦めだったので思い切って読みました。
繰り返しになりますが、読者は内容を自分の言葉に換えながら読み進めることで、本書から価値あるキーワードを多く拾えるのではないかと思います。
(※ 本記事に紹介した文もすべてが引用ではなく、本書に書かれている内容を、著者の意図に配慮しつつ私なりに解釈したものです。)
井上裕之著『30代でやるべきこと、やってはいけないこと』(フォレスト出版、2011)