【日本一】富士登山2009

2009年7月18日(土)、午後12時半。
実験をギリギリで終わらせて、運河を出発。
去年はジョージやハーバード大学
人たちと登った富士山に、
今年は研究室の人たちと登ってきました。

午後2時半、新宿を出発。かいじ111号。
大月から富士急に乗り換えて、河口湖駅へ。
大月からは、富士急行が発売している
富士山五合目フリーきっぷ」を使うことで、
割安に五合目まで行くことができました。


1日目のハイライトは、午後11時ごろ、
七合目をすぎた後の暗い山道でした
星空観察でした。


今回のメンバーは、私を含めて計7人。
午後4時半に、河口湖駅に到着。

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五合目には、午後6時に到着。

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この時点で去年より1時間早く、
完璧に予定どおり。
しかし、強風・小雨で冷える天候でした。

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ご飯を食べながら、気圧に体を慣らせつつ、
五合目で1時間ちょっと待機。
雨風は止んでくれませんでしたが、
防寒対策をして、午後7時半に
五合目を出発しました。

始めはなだらかな道を進み、
40分ほどで、6合目に到着。
これも、予定どおり。
ここから、本格的な登山道が始まります。
午後9時半には七合目。
雨はほとんど止み、雲に切れ間も見えていたので、
この先の道は何とか行けるかなと思いました。

八合目の山小屋「太子舘」の前は、
七合目からしばらく山小屋のない道が続きます。
休み休み、ゆっくり登りました。

午後11時ごろ、雲はほとんどなくなり、
見えたのは、とてもきれいな星空でした。
北にはカシオペア北極星
天頂には夏の大三角に、天の川まで見えました。
今までに地上から見た中では一番きれいな星空は、
見たこともないほど星が多すぎて、
天頂に天の川の上を飛ぶ「はくちょう座」を、
すぐには見つけられないほどでした。

日付が変わる頃には、八合目の「太子舘」目前
というところまで来ていました。
しかしこの後、・・・残念なことでしたが、
今回、頂上まで登ることはできませんでした。
ずっと続いた強い風・・・あまりの強い風と、
去年も見た大混雑、そして、
頂上付近であたりを覆った厚い雲の中、
途中で下山することを選びました。

+++

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19日の午前0時すぎ、八合目「太子舘」に到着。
ここでは標高3100mとなり、
低い気圧に苦しむ人も出てくる所です。

午前1時を過ぎた頃、東の空に、
細い月が現れました。
この3日後には太陽を隠すことになる、
細い下弦の月です。
この形の月を見ることができるのは、
このような深夜から、明け方です。
そのため、この形の月を暗い夜空で
見るのは、そう多いことではありません。
普段はなかなか見ることのない、
珍しい、きれいな月だなと思いながら、
歩を進めていきました。

しかし、その月は次第に雲に隠されていきました。

本八合目に着いた頃には、いつの間にか、
周りは濃い霧・・・つまり、登山道は
厚い雲の中になってしまいました。
まったく前回(去年)とは違う状況でした。
また、前回と同様、強い風でした。
ただ、前回よりも強かったのでしょうか・・・
時折、風に交じって石が体を叩きつけました。

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標高3200m、3300mを越えても、
雲を下に見ることはありませんでした。
午前4時をすぎて、あたりは白くなり始め、
午前4時40分の日の出の時刻を迎えました。
「ご来光」を見ることはできませんでしたが、
私たちはとにかく、頂上を目指しました。

しかし、前回よりも登山道の進みが
良くありませんでした。
見ていた感じでは、登山者数は
前回よりも若干少ないように思っていたのですが、
(↑ 今回は、五合目からの若干の悪天候
 ためでしょうか。前回も今回も、この三連休の
 真ん中の日曜日だったのですけれど。)
おそらく、この雲の厚さに引き返す人が多く、
登山道が登る人と引き返す人とで、
交錯していたためだと思います。

午前5時50分頃、九合目を通過。標高3400m。
登山道の進みは、ほぼ止まってしまいました。
日が昇ったら、上がるはずだった気温・・・
その気温の上昇を、厚い雲は阻みました。
頂上との標高差300m。

果たして、頂上では雲の上を覗けるのだろうか?
このペースで登ったら、この日じゅうに帰れるのか?
頂上で仲間にどれだけ休んでもらえれば、
無事に下山することができるのだろうか? ・・・


午前5時56分、その九合目。
引き返して下山する選択肢を選びました。
「とにかく日本一の高さに登って、
 みんなで無事に帰る。」
このたった二つの目的の、
後者しか選べないと判断して取った選択でした。

悪天候の中、仲間にここまで来てもらって、
去年自分が見た頂上を見せられない。
それでも良かったのか?
そうならない方法はなかったのか?
そう自問し続けた、八合目までの1時間でした。


午前7時ごろ、八合目のトモエ荘に到着。
ここで、ご飯を食べ、仮眠を取りつつ、
体を温めなおすことにしました。
そして午前10時に、まだ雲の中のトモエ荘を出発。
混雑で進めなかった登りとは違い、
皆、わりと楽に下りることができたと思います。

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下山をしていくうちに次第にあたりの霧は晴れ、
下の景色が見えるようになってきました。
山中湖や河口湖などがはっきり見えました。
その時でも、頂上の方はずっと雲の中でした。

五合目のゴールが見えたとき、
最後は、ダッシュ!!!
標高2300mでの高地トレーニングを兼ねました(笑)
この標高で、登山の最後で、荷物を持って。
この条件で走ったら、すぐに息が上がりました(笑)
そして午後1時、無事に下山を果たしました。

今回は頂上には辿り着けませんでしたが、
一緒に来たみんなで登頂に挑戦したこと。
そして、とてもきれいな星空を
見ることができたこと。
これができたことが、今年も登山に来て
良かったことだと思っています。

もし日程が許せば、
また一緒に登ってくれる仲間がいれば、
来年も、夏に富士登山に挑戦したいと思います。


最後に、帰りに五合目で見た光景は、
去年と同様、五合目から河口湖駅
戻るバスの大混雑でした。
富士山スバルラインの渋滞で、
バスは遅れていたようでした。
観光地へのアクセスがこれで良いのか。
そう考えてしまう光景でもありました。
(→アクセス方法を考える