鉱物W杯@茨城県自然博物館

 ニュースがサッカーW杯で盛り上がっていますので、この大会にちなんで茨城県自然博物館に展示されていた鉱物ワールドカップの写真を。


 話題のグループB初戦で対戦したイベリア半島ポルトガル、スペインの両国は、それぞれ鉄重石に黄鉄鉱と鉄を含む鉱物。後者は「黄」という語を裏切らない硫化物FeS2で、前者はタングステンを含んだFeWO4が主成分。なのですが、鉄を含んでも製鉄の原料として適さないものは、鉄鉱石と呼ばないのだそうです。
 サウジアラビアの鉱物が「原油」なのが、いきなり一番のツッコミどころですが(左のコップのようなものに入っているもの)、


 サウジにも「砂漠のバラ」石膏("Desert Rose" Gypsum)の標本が館内にありました。ワールドカップ展示ではチュニジアの方に「砂漠のバラ」があったので、他にチュニジアの鉱物の標本がないという事情もあったかもしれません。

 次の写真の一番左が、チュニジアの「砂漠のバラ」。


 日本は水晶(quartz)。主成分は白色のSiO2で、不純物や結晶格子欠陥により色が付きます。
 セネガルは淡黄色のセネガル石(senegalite)。よく青色のトルコ石ターコイズ)と一緒に石になっている絵を目にしますが、この標本では黄色のみ。セネガルの人とは、昨年9月の大学での特別講義「日本とアフリカのこれから」で、その出身の方と話す機会をいただきました。行ってみたい。

 コロンビアは緑柱石「エメラルド」(beryl "emerald")。エメラルドグリーンの言葉で有名なこの石の、最大の産出国がコロンビアなのだそうです。私にとってのコロンビアとの縁は、初めて米国に渡航した2009年12月に、成田からダラスまでのフライトで隣の席になったおしゃべりの人(私より若い人でした)がコロンビア出身だった、というもの。その人が日本語とスペイン語を話せた一方で英語があんまりだったりしたので、機内からトランジットまで一緒に過ごしたということがありました。コロンビア行きたい。
 ポーランドは岩塩(halite)。この国の面するバルト海は内海ですが、博物館の説明は「ここは昔、内海だった」。そーなのか。ここも行ってみたいところです。

 2018年のサッカーW杯で、日本と隣の予選グループで絶好調なのがベルギーとイングランド
 そのベルギーは菱亜鉛鉱(smithsonite)。主成分がZnCO3で、近世でも欧州で重要な亜鉛鉱山があったのだそうです。
 イングランド蛍石(fluorite)。和名も英語名も、どちらも蛍光を発するために付けられたものですね。人の目には見えない紫外線を当てると、紫~青色に光る石です。主成分は、屈折率が比較的低く光透過性の高いフッ化カルシウム(CaF)。

 2018年サッカーW杯、日本vsセネガル戦は2-2のナイスゲームでした。世界のスポーツ中継がテレビで流れる時期は、小さい人たちの見よう見まねのボール遊びもサマになってる気がします。


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 茨城県自然博物館での「鉱物ワールドカップ」、



 上がグループC-D各国のもので、下がグループE-F。



 サッカーは他のスポーツ競技以上に色々な国が登場してくるのがいいなと思わされる顔ぶれです。