日本リスク研究学会年次大会(2012)

 2012年11月9~11日、滋賀大学彦根)での日本リスク研究学会に参加していました。

 この学会には初めて参加しましたが、いろいろな分野で活躍される、いろいろな立場の方が集まっていて、有意義な意見交換ができました。私にとってはとくに、「新しいリスクに対応するために、ハザード研究者の果たせる責任とは何か」について重要な指摘を頂くことのできた、実のある3日間でした。

 ハザードのデータや情報を手にしたときに、そのハザードに実際に触れる(=リスクの及ぶ)人の行動に、どうアプローチするのが良いのか。どうしたらリスクを回避できるのか。その答えは必ずしも法的な規制ではなく、実現可能性のある選択肢を示していくこと自体であると知ることのできたことが、私にとって一番の収穫です。
 もちろん、示せる選択肢にはときに、実際の社会の仕組みの中では実現できないものも含まれてしまうかもしれません。しかし、それは私自身でなく、多様な社会が評価してくれると思うと、もっとチャレンジングな研究もできるように思います。

 そして、社会の仕組みや人の行動はがどの場面でどのように変わるのか。それを併せて、学問的・原理的というよりも実践的に、もっと知りたいと改めて感じます。

 それにしても、本当にいろいろな立場の人とお話しできて楽しかったし、有意義でした!
 明日は大阪で仕事のため、もう1泊だけ彦根に滞在します。


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○梅澤雅和、難波美帆、石村源生、武田健(2012)
 「ナノ材料のリスクの情報提供に際する問題と対処法の抽出」
 日本リスク研究学会第25回年次大会講演論文集、25: 257-259
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●学会2日目=昨日のメモ:「メリットがないからでは?」(2012年11月10日)