理科大・ホームカミングデー2012-発表・参加

 ①専門を異にしながら同じ分野で活躍される方との、大変勉強になる出会いがありました。
 ②高校生の研究発表を見て、プレゼン教育のポイントの一端が見えた気がしました。
 ③後輩の懸賞論文受賞を見届けてきました。 
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 2012年10月28日、東京理科大学のイベント「ホームカミングデー」(@神楽坂キャンパス)で、卒業生の一人として出展をしてきました。

 梅澤雅和、難波美帆「現代のリスクに対処する ~リスク研究と伝え方の課題~」

 今春から進めている難波先生との共同研究を、私の所属する理科大の環境次世代健康科学研究センター(センター長=武田健教授)のビジョンを紹介しながら、紹介させていただきました。(上のポスター、少し字が多すぎたかな・・・。)

 私は薬学・衛生化学のラボで研究をしながら、「科学的知見を実際の社会生活にいかすために必要なプロセス」に強い関心を持っています。今回出展をした上の演題も、まさにこのプロセスに焦点を当てた研究です。
 今日は、隣で発表された方が偶然にも、“医薬の種を社会に出すプロセス”である臨床試験をテーマにした出展をされていました。専門を異にしながら近い分野で仕事をする者どうし、いろいろ話をさせてもらい、とても勉強になった出会いでした。

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 このイベントでは、高校生による研究論文コンテスト(坊っちゃん科学賞)の発表会もありました。高校生のときから、研究の専門家を前に研究成果のプレゼンテーションができるなんて、何と素晴らしい機会でしょう。

 高校生による発表も、とても素晴らしいものでした。欲を言えば、高校生のときから次の2点を簡潔かつ明瞭に言及できるよう、準備をしてもらいたいと思いました。
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 ①発表者の研究の「課題提起」や「目的」と、各実験との関連性
 ②発表者の研究成果のもたらすインパク
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 それから、次のような質疑応答があった点が気になりました。
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 ③質疑応答のときに、質問と関係なく自身の話したいことを“答えてしまう”こと。
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 これは避けた方がいいと思われます。これは、なぜか少なからず日本人が陥りやすい点なのですが、国際会議の場ではそのような応答は相手にされません。質疑に答えるときには、相手が言葉で表現した質問に、まず端的に答えることが基本です。その背景にある事項は、端的な答えを述べた後で付け加える形にすべきです。

 この3点が、教育の場でよりよく指導されることを願いたいところです。自省も込めて。

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 さらに今日は、理科大の同窓組織「こうよう会」の懸賞論文の表彰もありました。この懸賞論文には本学の学部学生に応募資格があり、主催者であるこうよう会の示したテーマに沿って、応募者が論文を執筆・投稿するものです。

 私が大学で共に研究をしている学生の中で、この懸賞論文での表彰・受賞経験のある人が2人います。私は今でこそ、文章を書くのが好きで苦手意識もありません。何より、私は自らのアイディアを人に伝える文章を書くスキルを大事にしていて、そのスキルを生かす仕事の一つとして研究職を選びました。しかし、その私も学部学生の頃は、いわゆる“小論文”をしっかりと書くスキルなどありませんでした。
 身近に、学部学生の頃からそのスキルを持つ人が2人もいることは、私にとってとても刺激になり、幸運なことです。

 今年の懸賞論文の優秀賞の一人は、私の研究仲間でもある小野田淳人くん。3年前には最優秀賞、昨年と一昨年は奨励賞を受けての連続受賞でした。

 今回の受賞論文のタイトルは未確認なのですが、彼が3年前に最優秀賞を受賞した論文はこちら。

●小野田淳人「優れたインターネット社会の構築 ~メディア・リテラシー教育の充実化~」(2009年度最優秀賞@東京理科大学こうよう会懸賞論文)

 彼の論文には、我が国の“先輩たち”の築いたものや、それによる現在の豊かさに感謝し、次世代により豊かな社会を受け継ごうという姿勢が随所に表れています。
 彼の今後の活躍が楽しみです。