大学院生のキャリアに関連する最近の話題

 標記の件について最近目に止まった記事を紹介します。
 まず、日本化学会『化学と工業』の2011年9月号(Vol.64, No.9)が熱いです。

 グリーンもライフの結構だが、それ以外の、誰も見向きもしないテーマや決して実現しないだろうという研究をそれぞれが自由にやって、それで評価される科学社会がほしい。
 ―河田聡氏(大阪大学理化学研究所)「ベンチャースピリッツ:失敗を許すこころとしくみ」

 今、日本の大学院に問われていることは、「優秀な学生」が将来のキャリアパスに希望をもって博士課程に進学し、適切なトレーニングを受ける環境であれるか、である。
 大学院教育効果の最大値は、教育を与える側の努力だけでは決まらず、受ける側すなわち大学院生自身の志で決まる。博士課程進学は、自分の将来への投資である。投資であるため、当然リスクも伴う。
 そのリスクを取ることで、もっている才能を大きく伸ばし、投資の回収を最大限にしてほしい。その回収こそが、将来の日本の化学と化学産業を支える原動力になるのだ。

 ―菅裕明氏(東京大学)「学生諸君、大学院は将来への投資だ!」

 合わせて、最近ウェブ上で見て興味深いと思った記事を3つ紹介します。


・「若手研究者が悲惨だとされる最近の風潮はおかしい」(2011年8月20日、N.U氏 @BioMedサーカス.com)

・「ポスドク問題は実は後継者難問題」(2010年6月29日、viking氏 @大「脳」洋航海記)

・「Nature曰く、日本の博士課程は滅亡する」(2011年4月21日、viking氏 @大「脳」洋航海記)