昨年(2018年)のこの時期=8月中旬に行った、長野・群馬県境にある浅間山の、鬼押出し園。
火山の手前に、溶岩の固まった石がごろごろ転がる絵には、岩手山の姿を思い出しましたが、
浅間山では「石割の松」など、岩の間から低木が生えてきており、「溶岩流ができてから260年以上経っても高木が生えない」という岩手山とは違う姿が印象に残りました。
●9月の連休に子連れ家族で岩手・八幡平(2017年9月)
これが、固まった溶岩の日陰に生えるヒカリゴケ。
ワクワクしながら、これを探して見つけました。ただしこれ自体が発光しているわけでなく、原糸体というレンズ状の形をした細胞が暗所でわずかな光を集めるように反射するために、小さく光って見えているのだそうです。
その発見が、これを「光る土」として学校に届けた中学生がいたこと(1910年)だという話もあり、面白いものだと思いました。
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浅間山と言えば火山ですが、2018年は茨城県自然博物館の夏の企画展が「火山」で、うちの小学生がそれに興味を引かれていたので、近くの有名な火山に行こうと行ってきたのでした。
で、こっちが浅間山の火山博物館。
うちの小学生にはインパクトが大きかったらしく、行った後しばらく浅間山の噴火の話を繰り返ししていました。そして、この入り口のつくりは先月行ってきた磐梯山の噴火記念館もそっくり。(で、小さい人にはそれがなかなかに怖い。)
「日本の火山分布図」@磐梯山噴火記念館。地盤の重なりの上に火山が、規則をもって分布している様子が表現されています。
我らが茨城に火山はありませんが、富士山の火山灰はかつて茨城にも積もりました(1707年→宝永テフラ。それ以前にも)。他にも、2~6万年前の箱根山(神奈川)、赤城山(群馬)や浅間山(1783年→天明テフラ)、遠くは大山(鳥取)や鹿児島からの火山灰が、関東平野の地下にもうっすら積もっているのだそうです。日本の火山活動の何と壮大なこと。
そして、箱根が噴火しだ年代(2~3万年前)のつくばの地層からは、ナウマンゾウ、バイソン、アシカなんかの化石が見つかっているそうで、驚き! 当時は今のように関東平野がしっかりしていませんでしたが、地球の寒冷化で海岸線が後退していたので、つくば周辺に陸や海の生物がいたということのようです。
●かつてつくばに象がいた(常陽リビング、2009年11月)
日本での火山の噴火は、もちろん昔話ではありません。2000年以前の雲仙、新島~三宅島、有珠山に、2004年の浅間山。2011年以降の新燃岳(霧島)、2013年以降の西ノ島(小笠原)、2014年の御嶽山、2016年熊本地震前後の阿蘇山。それに、今も常に穏やかな噴煙を上げる桜島や、つい最近の口永良部島や、残念なことに入れなくなってしまっている草津白根。
また、世界的にも大規模な噴火がもたらしたものは、気候の変化だけではありません。社会の不安定化から政治に変化をもたらし、歴史の転換の引き金にもなった例が茨城での企画展「火山」(2018年夏)で紹介されていて、大規模な火山の影響の大きさにまた驚きました。
あとは、マグマが固まってできるものには意外な見た目をしたものもあるとか。噴火で空気中に飛ばされたマグマが急速に冷やされると、細長い繊維状のものや透き通ったガラス質にもなるようで、この火山という自然現象の規模感と多様さに驚かされっぱなしでした。
しかし、そんなことを振り返っていた傍から浅間山が噴火しているし・・・。続報がないので、大事には至っていないようですが。火山にはできれば、穏やかに噴火してもらいたいものだと思ってしまうところです。
【速報】
浅間山噴火
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