昨日、「限られた経験から学ぶスキル」というエントリを書きました。このスキルを使うと、英語論文を書く力をつける方法も見えてきます。
私は、英語論文を書く力は、論文を読みこなすことである程度身に付けられるものだと思っています。それは、「書くこと」が多数の、とはいえ限られた「例文」から学習できるものだからです。私は実際に、修士課程の学生の一時期にとくに論文・英文を読み込み、英文を書く最低限の力を付ける時間を(3ヶ月間ほど)作りました。この経験はある程度の意味があったと、5年ほど経った今でも思っています。
ただし、ここでの書き方の学習には「抽象化」のプロセスが必要でした。実際に「抽象化」をしようと意識は、英文を書く力を付ける上で大きく効いたと思っています。
例文から書き方を学ぶことは、「抽象化」の実践例の一つと言えるでしょう。
ここで、実際に英語論文を書くときには、参考になる例文を引き出す力も重要になります。これについては、今はウェブ辞典で参考になる句も引けます。便利な世の中です。
たとえば、スペースアルクでは次のように例文を引くことができます。
→「difference in between」
→「difference in of and」
→「difference between of and」
表示された例文(句)集からどれだけのことを自分が学ぶのか。ここも、「抽象化スキル」が効いてくる場面です。是非、多くの学生(とくに大学院生)にこのプロセスを経験してもらいたいと、私は思っています。
※翌日追記: 良い例文を探せるようになる一つのコツとして、「自分の思いついたタイプの例文があるかどうかを確認する」癖を持つことが有効です。そして併せて、「無い場合には、なぜ無いのかを考える」ことが必要です。
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私自身はいま、仕事のレベルを次のステージに上げることが必要な時期になっています。そんな今、5年前のことを振り返っているだけではいけないのですが。さて。
また明日。
●英文・論文の書き方‐関連エントリ
・卒業論文(学位論文)の書き方(2012年1月5日)
・英語論文を書く際の注意点(初級)(2012年1月21日)
・英語論文の書き方-文法よりも構成を(2012年8月2日)