記事紹介「災害をどう伝えるか―『日本語の壁』との戦い」

 災害の実情を海外へ、どのようにして伝えるか。必要な支援を求め、過剰な不安を抑えるために―
 これについて、朝日新聞GLOBEの2011年4月3日版に興味深い記事がありましたので紹介いたします。この記事は、ウェブ上にも掲載されています(下のリンク先からご覧いただけます)。

 災害をどう伝えるか―「日本語の壁」との戦い
 (朝日新聞GLOBE、2011年4月3日版)


 「ニュージーランド地震や米国のハリケーン災害では、英語での現地報道がそのまま世界に広がった」のに対し、日本の災害についての報道は「日本語のままでは」各国の人々には伝わりません。その結果、どのような支援が求められているかが伝わりにくかったばかりでなく、海外での「事実と明らかに異なる報道も」多くなってしまったと記事には書かれています。

 一方で、そのような現状の中で活躍した組織についても、記事の中でいくつか紹介されていました。

・UNDAC(国連災害評価調整チーム)
 JICAのウェブページに活動の内容が紹介されています。このJICAの研修施設が、現地本部として使われたそうです。
 各国からの支援を最大限に生かす(東日本大震災)-海外チーム受け入れを担った国際緊急援助隊経験者-(2011年4月26日)

国際報道官室(日本国外務省)
 日本の外交政策や実状などについて外国の報道関係者向けに情報発信するこの組織は、「政府の公式見解を頻繁に伝えるほぼ唯一の窓口になった」と記事は書いています。

 民間で立ち上げられた救援・復興支援の動きとしては、堀義人氏らが中心の「Project KIBOW」が紹介されていました。
Project KIBOW (Facebook)
 Project KIBOW スタート(堀義人氏ブログ、2011年3月16日)

 記事中での紹介はありませんでしたが、私がお世話になっている社団法人 サイエンス・メディア・センター (SMC) も、他国のSMCと連携して情報発信をしていました。

 日本には「正確な情報を海外に発信する機能が乏しすぎる」のが否めない現状であるようですが、「英語での正確な情報やデータ分析を伝える動き」は活発になっているようです。震災被害からの復興がこれから行われていくにあたり、その現状について正確な情報発信がなされていくことを切に望みます。