今日は、実験系のラボに所属しない学生の実験操作を見て、最近感じたことを書いてみます。
そんな人にも、将来何かが転がって実験することもあるかと思い、最低限のことは伝えてきましたよ。
1)数百mL以上の水・液体の量り方
メスシリンダーで量りましょう。三角フラスコの目盛りは、おおよそでしかありませんから。三角フラスコは計量器具ではないのです。
2)粉末の液体への溶かし方
粉末を量り取った後に、一度に液体(溶媒)を全量入れるのはやめましょう。
全量入れてしまうとフラスコいっぱいになってしまうときは、とくにね。混ぜられなくなってしまって、溶かせなくなってしまいますから。(まぁ、私も去年、ミルクが溶ける前のビンいっぱいにお湯を入れてしまって、溶けずに困ったことがありましたが・・・。)
フラスコいっぱいにならない量の溶媒だけを先に入れ、撹拌して粉末を溶かしてから、残りの量の溶媒を入れましょう。
3)ピペットをピペッターに付けるときの持つ位置
ピペットの根元(ピペッターと接続する方)に近い部分を持ちましょう。たまに、根元近くでない部分を持って、ピペッターに付けようとしている人を目にしますが。
ピペットの根元近くを持たないと、根元の位置が定まらず、さぞかしピペッターに付けるのが難しいことでしょう。しかも、必要以上の力がピペットにかかってガラスが折れてしまい、怪我の原因にもなりかねません。
4)割れやすいものを実験台の端に置かない
当たり前ですが・・・ 肘が当たって落としたら割れるようなものは、実験台の端には置かないこと。ガラス試験管の入った試験管立ての隅が、実験台の端からはみ出るなど、言語道断です。
料理するときに、ガラスの皿や包丁を台の端っこに置いたりはしませんよね?
今回は大学4年生で、実験を少なくとも経験してきた人たちだったので、「言えば分かってくれる」のが救いでした。これからは、もうちょっと違う経験を私もするのかもしれません。
そのときは、またそのときに。
+++
(※翌日追記)
知らなかった人も、知っていたけどやってしまった人もいたのだと思います。やってしまうときはやってしまうと思いますし。だからこそ、やってしまったときに指摘することで、次のやらかしを防ぐのが私の仕事だと思っています。
ミルクの件では、どんなに溶けやすいものでも溶けなくなるんだということと、分かっていても間違えるときはあるよね、ということを学びました。
だからこそ、間違えちゃいけないタイミングでの集中が大事だとも。