記事紹介-論理的思考のためのチェックリスト

 論理的思考力。それは、手元にある情報や条件を把握して、そこから最適な答えを導くために必要なものだと私は考えています。ここでは、その論理的思考のための「チェックリスト」として見つけた興味深いものを、Kiyoさんのホームページから紹介します。とくに <初級編> は基本的なポイントとして価値のあるものと思い、ここにも抜粋して紹介します。(なお、私なりに並び替えをしたりコメントを付けたりさせて頂きました。)

 Kiyoさんホームページより、
 「論理的思考のためのチェックリスト

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・「必要条件」「十分条件」といった単語を(不用意に「必要十分」などといわずに、それぞれちゃんと区別して)つかう。
・「対偶」について理解している。
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 この一つ目が、最も重要なものの一つではないでしょうか。「必要」「十分」という「言葉を適切に使えるか」ということと併せて、その感覚を持っている(意識している)かどうかは大きなポイントだと思います。

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・全称命題と存在命題とを区別して発言する。
・「絶対」「みんな」「日本人は」などと不用意に言わない。
・「少ない事例(サンプル)ですが、、、」と言う。
・「必ずしも、、、、ない」という言い回しが正しくできる。
・「その原因は、、、、」と言わずに、「その原因の一つは、、、、」と言う。
・「昔」などと不用意に言わない。「現代」「今」「若者」という語を不用意につかわない。
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 これらのポイントは、「すべて~」なのか「~というものもある」のかについて気を留めているかを評価するためのものでしょう。

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・ことばの定義(約定的定義)をはっきりさせようとする。
・他人の発言にすぐには同意しない。
・「美言(美しい、耳にここちよい、ことば)」に警戒的である。「常識」「対抗常識」の双方にたいして警戒的である。
・言説の「出典」について注意を怠らない。
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 これらは、言葉の意味や定義への意識に関するポイントかと思います。「聞こえの良い言葉に騙されないようにするための意識」と言い換えることもできるでしょうか。

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・文章の部分の省略を嫌う。
・文(文末)の肯定・否定をはっきり言う。
・体言止めを嫌う。
・「問題」を一文の疑問文で言える。
・「結論」を一文で言える。その際、意識しなくても、体言止めは避ける。
・「仮説」という言い回しを正しく使える。
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 これらは、曖昧にすると議論が円滑に進まなくなる類のものだと思います。

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・「反例」という語をつかう。
・「挙証責任」ということを理解している。
・「四象限図」を正しくつかえる(虚偽の「二択問題」に陥らない)。
・チャートを必ずしも信用しない。
・「論理的に独立である」という言い回しが正しくできる。
・「事実」と「評価・解釈」とを混同しない。
・「意見」と「感想」とを混同しない。
・「蓋然的」という単語を正しくつかう。
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 最後に上げたこれらは、論理構造の意識を問うものと言えるでしょう。それと同時に、はじめの①とつながるものであるとも思います。

 他にも、<中の上級編> にある “「ブレインストーミング」と「ディベート」の違いをわきまえている。” は、議論の場でその人が、参加する話し合いの目的をしっかりと理解してくれるかを知るためのものとして、私は注目します。


 なお、私は「挙証責任」と「蓋然的」という言葉についてまったく知識がないで、調べてみようと思います。(後ほど追記します。)