海外で使える薬、承認へ一歩

未承認薬109品、企業に承認申請要請へ(2010年4月28日、読売新聞)
【未承認・適応外薬】第一弾として 109品目の開発を決定(同日、薬事日報)

 私はこの記事を、初めに同日の朝日新聞朝刊7面(政策)で読みました。
 その記事では、海外で使えるものは日本で使えて当たり前という論調だったのですが、それは100%正しくはありません。もちろん、有効かつ安全な薬の有力な候補にはなるでしょう。しかし、人種差は現実に存在するのです。この可能性は念頭に置いておく必要があります。リスクの可能性と比較しながら、効果を追求していかなくてはなりません。何が期待されて何が懸念されるか、それぞれを十分に理解しなくては、正しい解は得られません。

 上にリンクを貼った薬事日報の記事にもありますが、今回の決定(承認の決定ではなく、要請することの決定)は厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」でなされました。広く深い見識を持った集団で、今後もよく議論してもらいたいと思います。個人的には、分野に精通する学会に今後もしっかりとイニシアチブを取ってほしいと思います。