若狭鬼ヶ城跡ハイキングに山陰海岸ー都会を離れれば日陰は涼しい

 2025年8月中旬、先週末は敦賀の上を飛び、


 砂丘の広がる鳥取因幡)に来ました。


 鳥取駅。ここからは、山口まで5時間かけて向かう特急も出ており、行き先(停車駅)に地方の都市・町を並べて見せて旅情をかき立ててくれるのがgoodです。


 私たちはローカルな因美線経由・若桜鉄道で、今回行ってみたかった若桜(わかさ)へ。


 鳥取駅の東で京都方面に向かう山陰線から右(南)に分かれ、


 郡家で岡山方面に向かう因美線からも左(東)に分かれ、ゆるい勾配を上り続けて若桜に向かいました。郡家の読みは「こおげ」。県南の「上郡(かみごおり)」や山口の「小郡(おごおり)」、福島の「郡山」などと同じ読み方ですね。


 鳥取若桜の間、八頭の八東川を渡る若桜鉄道の橋梁。下もよく見える良い眺めです。鉄道って、地方ではよくこのように何の欄干(壁)もない橋があるのですが、すごくないですか。



 今回の目当ては若狭鬼ヶ城という、標高450mほどの小さな山城。江戸時代の前半には廃城になったものではありますが、戦国時代に毛利氏と争った尼子氏や、その前に応仁の乱で名前の出てくる山名氏も入ったという記録のある所です。
 ここへは鳥取からのローカル線でちょっとだけ登ってきて、伝統的町並みの残る若桜の町から短い距離ながら急斜面を登ってきました。先週の北海道(洞爺湖)に続いてのハイキング。夏の日本の暑さは照り返しの強い都市部では厳しいですが、都会を少し離れると日陰に行けば少し涼しくもあり、直射日光さえ避ければ外歩きも楽しめるのを実感するハイキングでした。



 城跡(頂上)からの眺め。東に八東川沿いの国道29号が、戸倉峠の向こうの姫路の方へと続いています。峠の手前のこの若桜が、江戸時代に宿場町として整備されたという場所なのだそうです。「わかさ」というと、若いに狭いと書く若狭湾のある福井県西部の方を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、そちらでなく鳥取県東南の端のここは若いに桜と書いて「わかさ」と呼ばれる場所です。

 うちは長男が小さい頃から城が好きで、といっても天守閣のある城ばかりでなく、建物がなくて石垣だけしかない城跡や、石垣もなく曲輪(郭=くるわ)の跡だけがあるとか、そういうところも小学生の小さい頃から好んで暑くても寒くても歩いてきました。季節を問わずと言っても、さすがに冬に雪深いところに行ったりはしていないものの、いつでもどこでも外をハイキングできるということで良い趣味だったなと思ったりもしているところです。

+++

 なお、鳥取県は県庁のある街の位置は県の東端なので、海沿いの方もリアス式海岸の続く東に行くとすぐに兵庫(但馬)に入ります。その辺りは「山陰海岸ジオパーク」を解説する資料館が浜坂(兵庫)や岩美(鳥取)などにあって、体験型の展示もありとても楽しめます。


 新温泉町山陰海岸ジオパーク館。河岸段丘や三角州をつくる実験は、楽しみすぎて写真を撮り忘れました。


 ジオパークの裏にも広がる山陰海岸しかしここ、町名が「新温泉」と一般名詞ではどこの温泉かが分からんやんと思いましたが、浜坂町と合併する前から温泉町という自治体があったんですね。ほぉ…。

 なお、鳥取市は東北東側にこの兵庫県境となる小高い山が連なっているので、日の出の時刻を過ぎても街が日に照らされるのは少し後。それも、広大な平野部にはない朝の涼しさだなとも実感する鳥取旅行でした。


 大宮池: 鳥取駅からわずか2km強、鳥取東照宮の裏にある池。鳥取東照宮があるのは、江戸時代に親藩に準ずる家格とされる池田氏がここに入っていたためでしょうかね。