新規技術を社会展開するためのリスク情報の活用

 ひと勝負の時間。昨日、理科大ナノマテリアルの応用のための研究を進めている先生方と、意見交換の機会をいただいてきました。

 テーマは、「新規技術の発展と社会受容」
 もとい、「新規技術を安全に社会展開するためのリスク情報の活用」

 新規の技術や材料の安全性を問われて、答える中で「あれ?」と思ったことはないだろうか。うなずいてはもらえたけど納得してもらえてない、うまく伝わってない、と感じたことはないだろうか。

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 安全性や、リスクの情報。そこには複数の解釈が生まれ得る。だから、根拠なり数値なりが大事になる。
 根拠なり数値を挙げて初めて、その数字をどう使えば革新技術を安全に応用することができるかを、議論することができる。(私も、ここはまだまだ弱い。しっかりと調べないと。)
 なぜ安全と言えるのか、どう扱えば、何をどう測定すれば、安全と言えるのか。その条件付け・場合分けを十二分にして、初めて「安全」を語ることができる。

 だから「リスク」にしても「安全」にしても、それを語る際のパターン(ルール)があっていい。どの根拠なり数値なりを、どのように使えばいいのか、使うべきか。今年(2014年)2月に公開したリスク・コミュニケーション・パターン集(→こちら)は、その礎になり得ると思う。やってみよう。

 そして、安全を議論する場面でこそ、もっとリスクの情報を活用すべし、と思う。逆に言えば、リスクのデータはそこに活かせなければ意味なし、とも。

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 安全の根拠や前提を保証できれば「安全」。根拠や前提を保証できなければ、そこを課題として取り組めばいい。そんな議論を、専門分野の異なる人と共に前に進めることができたら、と。それは簡単ではないけど面白いし有意義だろうなぁ、と思うところです。

 このような議論は、私もリスク・コミュニケーションの研究をしていなかったら、言い出す気にさえなれなかったかもしれません。しかし今は、この議論が実を結んで初めて、リスク・コミュニケーションの研究を少しでも取り組んだ価値があったと思えます。

 やってみよう。