12月26日、学外の先生方とのお食事が、今年最後の忘年会でした。
私にとって、2007年1月に初めて学会発表をする機会をくださった先生の一人と、5年11ヶ月ぶりに再会できました。私と異なり、医師として病院に勤務されているこの先生とお会いできると知ったのは、つい昨日。私服で出席する予定だったのを、急遽正装に変更して出発しましたよ。
私は、自分の大学院生活を振り返った『科学フォーラム』の原稿(2010年12月)に、こう書いています。
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(前略)(この2007年1月の学会発表)は、私が遅ればせながら博士課程への進学を決めた契機でもあった。
(・・・中略・・・)
分野を異にし、観点も違う先生方から質疑応答の時間に頂いたご意見は厳しく、その様子は私が集中砲火を浴びているようであったと後に聞かされた。しかし、私はこれを厳しいものではなく、有意義な意見交換であり勉強の場でもあると感じていた。研究テーマは同じくしても、仕事場の違う人たちとの情報交換。その中から、研究対象となる疾病で困っている人のために何ができるかを考えることに大きな意義があると考えた。その上で、研究室において仕事を重ねて未知を既知に変え続けることができれば、その分野に貢献することができる。そのような仕事が、研究活動によりできると心から思ったことは、私にとってとても大きな経験であった。この会議の帰路にて、私は博士課程に進学することを決めた。(後略)
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5年以上経って、先生も私自身も立場は変わっていました。しかし、私にこう思わせてくれた先生の視点・展望(ビジョン)やお人柄は、嬉しいほど以前のままでした。
むしろ、立場が変わってより自由に物事を動かせるように。あとは、より「実」を得られるレベルに私が成長できているかという、私自身の勝負です。
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Facebookでのプロフィール写真に、私はゴールデン・ゲート・ブリッジの前でブリッジをしたときのものをアップしています。一応解説しておくと、ブリッジというのは、異なる点と点をつなぐアートです。それが、私の目指す生き方を表す一つの形でもあります。
でもね、つなぐだけではその場は変わりません。そこから「実」を得ないとね。
年の瀬に、“研究の道”に進むと決めたときの自分の気持ちを思い出させてもらえるのは、とても幸せなことでした。次にやりたいこと・仕事が、一つ増えましたよ。
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修士1年だった当時から、果たして私は成長できたでしょうか。さすがに成長できていなくては困りますが、どれほど成長できたでしょうか。
それを過大にも過小にも評価することなく、次の一手を打ちたいものです。
私が求めたいのは、もうつなぐことだけではなく、そこから生み出せる「実」。そこにこだわって。そのためにこそ、考える時間を使いたい。
今日の再会に感謝します。また明日。