今週の前半はインド・チェンナイのSRM-IST大学に行き、講義を一席ぶったり、もうすぐ日本に来る学生との意見交換をしたりしてきました。午前中に講義をした日の午後は、今まで直接交流のあった研究室以外の人も話しに来てくれて、代わる代わる来る人たちとみっちり半日、予定の時間を過ぎるほど話し続けてきました。
SRM-IST大学に行ってきたのは2020年1月と2023年夏以来、1年半ぶりの3回目。その間には、交流のある向こうの研究者が日本に来たこともありました。そうやって対面で数回のコミュニケーションをとれてきた頃が、情報交換が盛り上がってくるタイミングのように思います。
ふと思い出したのは10年前、2014年と2015年にエジプト・ダマンフールの大学に行ったときのこと。そこでも私は一席ぶっていたのですが、会場まで1時間以上かかる他の大学から2回ともいらっしゃって、熱心に話を聞いてくる人がいたんですね。彼女は日本でアカデミックのトレーニングを積みたいとその後も連絡を続け、本人もいろいろと調べていて、実際にその後こちら(理科大)の大学院に入学。ハードワークの成果で2023年にPh.D(博士)の学位も見事にとり、2024年度から米国にポスドク研究員として次のチャレンジをしに行きました。
相手の国は違いますが、今回交流をした人の中にも、そんな人がきっといるんだろうなと感じずにはいられない時間でした。直近にも先方との共同研究の関係で、3人の学生が春にインドから東京に来る予定もあり、こちらの学生とのコミュニケーションも始めています。こちらの学生にとっては、想定しておらず大変なこともあるかもしれませんが、絶対に成長できる(しかも多少失敗したって何の問題もない!)機会として、楽しい経験にしてほしいと願っているところです。
しかし、今回は40分ほどした一度の講義の後に、本当に代わる代わる学生さんたちが来る姿が強く印象に残った時間でした。このように外から人が来る機会は、日本でもうちの大学でも、研究室活動(ゼミ)でなくてもあるわけです。が、外から来た講演者にこれだけ話をぶっ込みにいくことを、どれくらいこちらの学生はしているでしょうか。
コミュニケーションで多少失敗をしたとしても、元々どうせもう会わないかもしれなかった縁。何かあるかもしれない気づきから、自分の言葉の引き出しを増やしたり、次の可能性を広げてくれたりするかもしれない縁。そんな縁を、私のすぐ周りにいる大学生にも大切にして活用してほしいと思わされる時間でもありました。
とはいえ将来に向けた話をする前に、いま周りの大学生たちは学期末の試験の時期。私も今日早朝に帰国して、これから私の担当科目の試験を行うところです。私の専門の生物系の科目は、うっかりすると丸暗記で何とかしようと思う人も少なくない内容ですが、事実や現象の裏にある原理をクエスチョンとストーリーを持って、学んでいる人たちには理解してもらいたいと願っているところです。今日の試験は、そのストーリーを少しでも描こうとしたかを問う内容になっているはず。その積み重ねが、不意に自分の前に現れるチャンスで自分が発することのできる「言葉」を持つことになるのです。
私自身もそんな自分の言葉を、これからもアップデートしていこうと思います。
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こちらは帰りに飛行機を乗り継いだデリーの国際空港の案内図。すごくカラフルで、まるでテーマパークのようにワクワクしませんか?
ヒマラヤを避けて飛んで、早朝に羽田着!
●インドの時差: 日本−3.5時間
●インドの通貨: ルピー(1ルピー=1.6〜1.8円)
●チェンナイの天気
「今は涼しい」と現地の人が言う南インド・チェンナイの気温は、昼間は29℃ほど。22℃くらいだった朝はたしかに涼しさを感じました。しかし、前後の日の昼間の気温は普通に32℃ほどあったようです。
●インド渡航準備
・出発の4日以上前にe-VISA申請!(4日前と言わず1週間以上前に。)
もしくはアライバルビザの申請準備
・パスポート
・クレジットカード、現金
・PC、充電コード
・スマホ、充電コード
・マルチタイプのプラグ変換器
・衣類(インドでは、大学や寺院に入るときにハーフパンツなどはNG)
・ランニングウェア、シューズ
・スリッパ or サンダル
・ティッシュ、ウエットティッシュ
・洗面用具、爪切り、絆創膏、防虫剤・虫刺され薬
※ 帰国する際は、Visit Japanウェブサイトで税関審査のための情報を事前に登録できる。