京都-宝ヶ池のすぐ東に比叡山~2つの「日本一」のケーブルカーに挟まれた山


 2025年は、12月中旬からの10日間に師走の「走」(いろんな意味で)を極めてみたところ、その10日目に力が尽きかけました。それでも元気に迎えた今日からは、年末最後の週末です。

 今年も新しく会う人に出会ったり、久しぶりの人に再会したりできた1年でした。国内でのハイライトの一つは、11月上旬の京都への出張。その場所は京都国際会館と言って、市内を南北に貫く地下鉄烏丸線の北側の終点のある所でした。



 (ここまでの写真は京都御所のもの。11月の景色は、秋晴れに紅葉も始まり美しいものでした。)

 しかしその用務の話は置いておいて、今回はそのすぐ東にある比叡山の記録。「比叡山延暦寺」というと連想するのは、織田信長に焼き討ちにあった歴史ですが、788年に最澄により創建された天台宗の総本山。ここが軍事に巻き込まれた理由は、京都に東から入るのに重要な道に隣接していたため。Wikipediaの「比叡山焼き討ち」のページにある地形図を見ると、それがよく分かります。また、この地形図では近畿が伊賀・甲賀敦賀(金ヶ崎)の山によって、東海・北陸と分断されているのもよく分かります。


 Wikipedia比叡山焼き討ちより、延暦寺の「畿内三関における位置」。

 この比叡山は、東からは日本一長いケーブルカー、西からは日本一標高差のあるケーブルカーと、なんと2つの「日本一」に挟まれたケーブルカーでアクセスできるという珍しい所です。

 他にも京都市内からのバスや、出町柳からの叡山電鉄でも比叡山には行けますが、一方でJRの最寄りはというと湖西線比叡山坂本という琵琶湖畔の標高96mの駅。この湖畔側から西に走っていくと、京阪石山坂本線の終点・坂本比叡山口駅(標高118m)、さらに西に走ると「ケーブル坂本」駅(標高154m)に着きます。
 JRの駅からここまで、走ると約1.5kmのだらだらと登る道。何てことはない道ですが、ケーブルカーが30分に1本で乗り遅れるとずっと待つことになるので、時間がギリギリだとなかなかに焦ります。


 ケーブル坂本駅からは、「ケーブル延暦寺」駅(標高638m)まで2025mのケーブルカー「比叡山坂本ケーブル」。この「2025m」というのは、日本で最長のケーブルカー路線とのことです。


 途中、小さな川も越えて進むケーブルカー。森の中の景色を楽しめる2kmでした。


 10分ちょっとで到着するのは、東に琵琶湖を望むケーブル延暦寺駅(標高638m)。そこから10分も歩けば、延暦寺の入り口に着きます。


 境内に入れば比叡山頂の方にも歩けるのですが、今回は直後に仕事もあったのでバス停「東塔」から比叡山内シャトルバスで山頂へ。着いた先に、標高約825mの叡山ロープウェイ比叡山頂駅があります。東側のケーブルカー駅との標高を比べると、こちらが東側がケーブル「延暦寺」、西側が「比叡山頂」駅となっている意味が分かりますね。


 駅名標に時代を感じる比叡山頂駅。1956年開業の駅ですが、この駅名・案内標はいつからのものでしょう・・・?


 下には京都の北山、岩倉から宝ヶ池の周りの町並みを望めます。ここから塗装の新しい車体に乗り、直線距離486mで、高低差136mを下ります。これは東側の比叡山坂本ケーブル(距離2025m、高低差484m)よりもきつい傾斜。さすがロープウェイと一瞬思わされますが、驚くことなかれ・・・


 ロープウェイとケーブルカーを乗り継ぐ、比叡駅(標高678m)。旧車両の運転台も展示されている、一度寄る価値のある駅です。案内板の右下に「高低差日本一 561m」とアピールしている西側のケーブルカーは、


 ここからケーブル八瀬駅(標高117m)までの高低差561mを、1.3kmで一気に下ります。先ほどのロープウェイ以上にきつい傾斜で!



 着いたケーブル八瀬駅では今回、振り返る間もなく次に進んでしまいましたが、八瀬では少し歩くと「八瀬比叡山口」駅で、叡山電鉄に乗り換えられます。


 ここから、京阪に接続できる出町柳まで直通・渋滞なしで行ける八瀬駅。出町柳までの経路は、12月に行われる全国高校男子駅伝の3区と4区、南は銀閣寺や南禅寺までつながる白川通の「叡山電鉄跨線橋」で越えるあの路線ですね。


 比叡山には今回すごく久しぶりに登れたので、また来年も京都には来れそうですが行き先は国際会館ではなさそうだったので、比叡山に登れる「日本一」ケーブルカーたちの経路を今回書いておきたいと思ったのでした。年始の初詣の時季にも賑わうのだろうな、と思いつつ。寒い時季の訪問では防寒にどうぞお気をつけて。