先週末から大学院生の研究発表で、カナダのモントリオールに3日間半ほど行っていました。写真は名所のモン・ロワイヤルの丘から。国際会議は、私の大学時代からの友人が教えてくれたcomputational biologyの分野のものでしたが、手元の研究で使いたい検討方法の情報も得られ有意義な機会になりました。友人とはお互いの研究室の学生も交えながらのコミュニケーションができたことも嬉しいことでした。
モントリオールのダウンタウンはさながら金融街という感じでしたが、旧港 (vieux port) のある川沿いに残る旧市街が良い雰囲気でした。
旧市街の中心 Jacques Cartier広場の、日曜の夕方。広場の名前は、フランス出身でカナダに到達した探検家 (1491~1557) の名前ですね。広場は音楽を演奏している人も複数いて、peacefulな空気。その平和な雰囲気が、時差13時間の昼夜逆転が体に堪える中で幸せな時間でした。この土曜日は、米ペンシルバニアでトランプ氏が銃撃に遭う物騒な週末。平和が一番だと思わされます。米ペンシルバニアでトランプ氏が銃撃に遭うというニュースを聞いた翌日でもあり、何物にも代えられないこのpeacefulさにありがたさを感じざるを得ませんでした。
モントリオールはカナダの東側に位置し、大西洋側の河口にあるケベックシティにつながる、オタワ川とセントローレンス川が合流するところ。川は広く巨大なコンテナを複数積んだ大きな船も入ってきます。セントローレンス川の上流は、ナイアガラの滝もある五大湖の東端、オンタリオ湖につながってもいます。
フランスの人たちの1600年ごろからケベックシティーへの入植に続き、モントリオールに入植し始めたのは1642年のこと。英国の人がボストンに入植し始めたのと同時期で、日本では江戸時代の初めごろですね。欧州の人たちが西海岸のバンクーバーに入植し始めたのは1800年ごろ以降ですから、広い東西で200年歴史が違ったことになります。
東側で川もあるケベックは、1763年に英領となってからもフランス人の多い地域。最近は聞きませんが、カナダからの独立を問う2回目の住民投票があったのも1995年のことでした。(しかも、このときの賛否の得票率は49.42%と50.58%!)
冒頭のモン・ロワイヤルの隣に建つ聖ジョセフ礼拝堂。静かで穏やかな高級住宅地らしいエリアにあり、喧騒が濃縮されたダウンタウンと違う雰囲気を感じられました。
こちらも朝に走って行ってきた、オリンピック公園。外の座席は当時のものなのかまるで遺跡のように見えるのが面白い景色でしたが、カナダでの唯一の夏季五輪が1976年に開催されたメイン会場の跡地が公園になっています。
街よりも少し小高い場所にあることに、少しスペインのバルセロナの五輪会場との共通点を感じました。でも、バルセロナは丘を曲がりくねって登る道が面白かったっけな。
モントリオールのオリンピック公園にある、ジャッキー・ロビンソンの像。1940-50年代に、人種差別と闘いながら米MLBで活躍したアフリカン・アメリカンの選手で、1962年に野球殿堂入り。背番号42が、MLB全球団の永久欠番になっている選手ですね。1945年8月に、ロサンゼルス・ドジャース傘下のマイナーAAA級モントリオール・ロイヤルズに入団した縁ということで、思いがけずその像をここで見ることができました。
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今回モントリオールまでの旅程は、行きも帰りもバンクーバー経由でした。
カナダを東西に横断するバンクーバー⇔モントリオール便の航行距離は、日本の端から端までよりも長い4500km。国内線での所要が5時間(西行きは5時間半)という事実に、大陸の広さを改めて感じました。しかも、西海岸のバンクーバーまで東京から9時間(帰りは10時間ちょっと)というのは、日本から今ものすごく遠いヨーロッパと比べるとだいぶ近いと感じてしまいます。と書いていて、カナダ国内線の長さが東京⇔バンクーバーの半分もあったことに初めて気づきました。カナダ国内線での東西の行き来は時差があったので、何時間かかっていたのかを正直よく分かっていなかったところです。
帰りの日の現地は雷雨予報。朝から曇っており、国内線が遅れようものならまた乗継の空港で1泊するところ(しかも、私の乗るモントリオール-バンクーバー便は最近1週間で3日遅れていました・・・)でした。1本前に乗せてもらえるよう交渉したところ、了承をもらえたのですがその時間が直前すぎて、結局1本前に乗れず。「今日は遅延する予定がないから安心しろ」とカナダ・エアから受けた案内はほぼ信用していませんでしたが、運良く遅れずに予定どおり帰国できたところです。
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・モントリオールの天気 (AccuWeather)
・モントリオールの時差: 日本-13時間(3月中旬から11月初旬まで、DST実施中)
★カナダの電子ビザ (eTA)
(※米国内での乗り継ぎがある場合には、米国ESTAも。)
eTAの申請費用本来 7 CAD なのに、公式ウェブサイトではどうしてもエラーが出るので、焦った末に民間業者を介してeTA申請をしてしまいました。支払いボタンを押した直後に気づいた料金、14700円・・・。でも、最大72時間かかるeTAのapprovalに、申請から数時間足らずで辿り着いたのは幸いでした。(でも、ちゃんと政府公式のウェブサイトで申請すべき!)
●カナダ渡航準備リスト
・研究発表/報告資料
・充電器(スマホ、ノートPC、モバイルバッテリー)
・プラグ変換器(カナダや米国では不要)
・手帳、ノート、筆記用具
・パスポートとそのコピー
・貨幣(円、カナダドル)とクレジットカード
・衣類
・洗面用具―歯ブラシ、綿棒など
・保湿クリーム、爪切り、絆創膏など
・常備薬(痛み止め、アレルギーの薬、風邪薬)
★帰国準備: Visit Japan Web