歴史的な日からドイツは三十周年(2019)



 写真は2ヶ月半前、今年の3月下旬に行ったドイツ・フランクフルト近郊の高級住宅街、Bad Homburg。


 Schlossparkから福音教会(Church of the Redeemer)。



 たまたま最近1年の間に、何度かドイツに立ち寄る機会があったのですが、ここドイツは今秋、歴史的に重要な出来事からの節目の時を迎えます。その出来事とはちょうど30年前の、ベルリンの壁崩壊。

 それが起こったのは、1989年11月9日とのこと。私はこれをリアルタイムで見た記憶がないのを大変に残念に思っています。おそらくこれが、私が生の映像を記憶していない最後の出来事だったのではないかと思います。
 このときに6歳半だった私が、はっきり覚えているオリンピックの場面は、3年後1992年のバルセロナのマラソンで銀メダルを獲得した森下広一選手が、レース終盤のモンジュイックの丘で韓国の黄永祚選手(同レース金メダリスト)に離されていく場面。はっきり覚えている歴史上の出来事は湾岸戦争。これが1991年で私が8歳になった頃なので、それ以前の出来事についての映像の記憶は、たぶんすべてVTRで観たものです。
 ただし、小さい頃から数字が好きだった私は、1988年末に毎日、病床に臥された当時の天皇陛下の病状がニュースで報道されていた(体温などがテレビに出ていた)ことだけは覚えていますが。

 話は戻ってベルリン。東ドイツが首都ベルリンから、ベルリン市内の西ドイツ領内に住民が脱出するのを止めるために、1961年8月から壁を建設しました。元々は簡単かつ自由に往来できた場所に作られたこの「国境」は、人が流出しないよう厳しく監視されていました。
 その過酷さの記録は映像で残されており、インターネットでも検索するといくつも見つかり、見るに耐えない残忍な事実も記録されています。それが当時のドイツ・ベルリン。その後、社会主義国の「主」であったソ連の衰退に伴い東欧革命、1989年11月9~10日にベルリンの壁が、市民の手により崩されるに至ったのです。この映像も、検索するといくつも出てきます。

ベルリンの壁崩壊Wikipedia)―言葉でもある意味映像以上に、壁の壮絶さが伝わってきます。
ベルリンの壁崩壊30周年 歴史を巡る、おすすめスポット3選(Newssalt)

 そんな節目の年に権力を持つ誰かさんが「国境に壁をつくる」叫んでいるのに対して、ドイツのメルケル首相が米ハーバード大学で「壁を取り払おう」とスピーチしました。一方で、有名なものだと中東のパレスチナ(~2002年)など、政治的に建設された壁で動きを封じられている地域は今もあるわけです。30年というのは人の生活としては長い年月なのに、歴史的な問題を動かす上ではあまりに短い。

Merkel advises graduates: Break the walls that hem you inハーバード大学ニュース、2019年5月)

 春にはドイツからも、花の頼りが届いていました。今年は後半にもまた、ドイツに立ち寄る予定がありそうなので、この地域の歴史と情勢についてももう少し考えてみたいと思います。私はまだドイツの西のエリアとミュンヘン空港しか行ったことがないので、広いドイツの北東側にあるベルリンは、残念ながら訪れたことがないのですが、近い将来そちらにも行きたいものです。

ベルリン・ベーゼブリュッケ橋下の八重桜(2019年4月2日 Tw@berlinbau
●Tw #berlinblossom
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ベルリンの壁崩壊から30周年、11月4~10日に700の記念イベントが開催(2019年4月2日 Tw@gutereise2
11/9からはオールナイトで音楽イベントも開催(2019年4月3日 Tw@aruco_arukikata

ドイツ・フランクフルトで動物園と博物館巡り(2019年3月)
ドイツ・マインツの教会と印刷博物館(2019年3月)
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